あお日記

2002年11月19日(火) 引越し


 1年前にはタケダの恋愛の本気度を目の当たりにしていた私は正直その報に接して多少の狼狽を感じていた。もちろん高校を卒業して都内に下宿中だったタケダの近況も断片的に知ってはいたが、まさかあれから1年足らずで入籍の報を受けるとは考えもしなかった。おそらく私が入院せずに彼と同様の生活を共にしていればこんなにも早く2人が接近することはなかっただろうと思う。その付き合いに反対する理由もなかったが、「結婚」という選択肢が果たして未成年の我々に背負い込める責任なのか、他人事ながら考えたものだ。ただ見た目はヘロヘロしていても中身はナイーブな(笑)タケダにとてもお似合いのしっかりした女性だった。私としては2人を応援し見守るくらいのことしかできない気がした。まあ私事ではあるが、タケダのそういった具体的な方向性によって彼に気兼ねなくハマちゃんと接することが出来る気楽さを感じていただろう。
 
 で、2人が1年の契約期間を終えて専売所を辞する日がやってきた。2人が選んだ新居は都内にも程近い郊外のアパートだった。奥さんになる『友』さんはタケダの専売所に程近い語学関係の専門学校に通っていたのでとりあえずそれは卒業させたいという言葉をタケダから聞いた覚えがある。なのでその引越しもそれほど大掛かりなものではない。幸いなことに私の父は建設業で軽トラックがあったので、暇に任せて手伝うことにした。免許取りたての私にとって初めて高速に乗った日でもあり、都内を初めて走行することになった。

 軽トラに3人は乗れないので友さんは電車で現地へ行って荷物引取りの段取りをお願いした。軽トラというのはバカにできず、2人分くらいの下宿生活の荷物なら1回で十分であった。思ったより私の運転も順調で、まだ4輪の免許がないタケダに羨ましがられたものだ。まあ彼らの新婚生活に自動車の必要性などなく、現実としてそんな余裕もなかった。

 ガソリン代だけ頂いて夕方家路に着いた。とても喜んでくれた2人を見て私は引越しの手伝いが好きになったのだろう。



 < 過去  INDEX  未来 >


あお [MAIL]

My追加