危険域。 Master:(c)夏目

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2006年05月25日(木) ■
無知と無能と自己意識







 念願の給料日〜。
 明細自体は昨日もらっていたんだけど、交通費だけで2千円分引かれててげんなり。やんなるわー。


 ということで、来月の休暇希望を書き込んできました。
 月曜日と金曜日は毎週休み。これで5連ちゃんとか6連ちゃんとか阿呆な勤務入れられないですみます。最高でも三日、それなら耐えられるってもんです。
 まあその分、給料は危ういですけどもいいんだ。月に七万くらいで充分…って納得しておこう。大体使いすぎなんだよ夏目。
 休みが固定されていると、それに向けて意欲が向上するからいいなって思いました。今月は金曜日を定休していたけど、それだけだと一週間が長いこと長いこと…。
 土日の前に一回、明けてから一回でなんとなく気分が楽…。




 今日は、コミック担当トオルさんにむかついてました。
 なんていうかあれですね、気遣いがない。自分中心って感じで、滅茶苦茶腹立ちました。元から勤務5年目とかゆって知識ひけらかすの大好きなひとだったんですけど(それらは軽やかに流してましたが)、その割にはなんも知らんのですよこのひと。夏目もひとのこっちゃ言えないけど。
 レジに入っていたんですね。それで、忙しくなってきたからトオルさんが隣のレジに入ったんです。
 そこで、クレジットカードを渡されたんですが、機械が「使用モード」になっていなくて使えなかったんです。勿論これは簡単に操作してモードを戻すことができますから大した問題じゃないんですが。が、トオルさんはこれがわからなかった。(滅茶苦茶初歩の問題なのに)
 忙しいからこそトオルさんが隣に入ったわけで、彼のところで一旦客が止まってしまうともう結局ひとりでレジやっているのと変わらないわけで、一気に夏目のペースがあがります。
 したらばトオルさん、何を考えているのか接客中の夏目に向かって、

 「夏目さん、これ、どうやるかわかります?」

 ときたもんだ。
 こちとらお前がそんなんだから滅茶苦茶忙しいっつーのと思いながら、お金を渡しているときだったため「今は無理です」と伝えましたよ。
 あろうことかトオルさん、クレジットカードを放置したまま店長呼びに行きました……うわーうわーうわーと思って、一旦客を切って、トオルさんが接客していたお客さんに「申し訳ございません、少々お待ち下さいませ」とカードを返し、モードを直して再び自分のレジに戻りました。
 トオルさんが店長を連れて帰ってきた頃には全ての客をさばききってました……役立たず(ボソ)とか思ったのは内緒です。
 なんの説明もなしに待ちぼうけさせたお客様に平謝りしてから店長が、

 「お前五年もやっててこの程度のことがわかんねえのか。新人が聞く内容だぞ!」

 とトオルさんを叱りました。
 当然だよな…と思った矢先、

 「だって夏目さんが教えてくれなかったんですよ」

 だからお客さんを放置して店長を呼びに行かざるを得なかったんだというようなことを言いはじめました。さすがにこれ、夏目も怒りますから。

 「すみません、接客中だったんで無理だったんです!」

 なんで他人の無知と無能さを夏目のせいにされなきゃいけないんだかよくわからん。
 そもそもこのトオルさんってひとは、自分が他人より知っているということをひけらかす微妙な性格のひとで、早い話がでしゃばりなんです。
 夏目が店長にアドバイスを求めて話しているのに、何故かトオルさんが見当違いなアドバイスを出してくるとかよくある話で、心の中で「引っ込んでろ!」と思ってました。
 時には、京極さんの話題になって和気藹々とみんなで話している中、

 「京極夏彦の新刊が中々出ないのはあの表紙のせいなんだよね」
 「知ってます。あの張子は全部手作りで一年以上かかるんですよね(話を中断させんな)」
 「あれはね、その時の本の内容に合わせて妖怪を」
 「知ってますよ、夏目、京極さん大好きですもん(いい加減黙れ)」
 「だからあのひとは中々新刊を出さないんだよ」
 「知ってますってば!(キレ気味)」

 ちょっと険悪なムード。
 そこで店長が怒っている夏目をちらりと見てから、

 「なあトオル、そんなにいうならお前、京極夏彦の作品、読んだことあるんだろうな?」
 「ないですよ。無理ですよあんな分厚い本」

 夏目、その場で「お先失礼します」と事務所を後にしました。
 内容も知らんくせに知った風な口をきくなよ!しかも、「京極夏彦さん大好きな夏目」という認知がされている中で、よくもまあ恥知らずな。


 さて、クレジットカード事件の後に再びレジが忙しくなり、トオルさんが入りました。
 内心滅茶苦茶嫌だったのは言うに及ばず。
 ただ何事もなく客をさばけていっていたのでちょっと安心していた矢先、隣のレジの小銭が足りなくなったらしく、夏目側から取ろうと手を伸ばしてきました。
 しかし折り悪く、夏目も小銭を取ろうとしていたところでして、こうした場合は金庫から棒金を換金するのが一般的なんですが、それでは時間がかかると判断した場合は金額をしっかり覚えた上で隣のレジから取ることも容認されています。その後、暇になった辺りで同じ金額を取ったレジに戻すのが決まりです(十円玉五枚取ったので、五十円玉一枚戻すとか)。
 けれど、当たり前のことながらそのレジの使用者の行為が優先されます。夏目が自分のレジから小銭を取ろうとしているならば、そこは一旦待って、夏目が取り終わってから手を伸ばすのが礼儀というもの。当然ながら、暗黙の了解です。
 しかし、トオルさんには気遣いというものが全くないため、ひとが使っている上から手を伸ばして小銭を掠め取ろうとする。ここで夏目が引いてもよかったんだけど、むかついたので意地でも引きませんでした。
 接客が終わったあと、さすがにむかついて、

 「トオルさん、さっきみたいな場合は無理に取ろうとしないで下さい。棒金取ったほうが早い場合もあるんですよ」

 と言ったらば、

 「夏目さんがちょっと我慢してくれればよかっただけじゃない」

 と言われ、もうこりゃ無理だわと頭痛くなりました。


 このひと、コミックの担当を長年やっているんですが、コミック以外、全くできないんです。文庫も文芸もビジネスも実用も児童も雑誌も、何もできない。コミックだけしかできない。
 さらに、「接客係長」という任についているんですけど、やること大げさすぎて…あたまいたい。
 レジに入ったときに「いらっしゃいませ」とか一通りゆうじゃないですが、それで、最後は「ありがとうございます」「またお越し下さいませ」とか。
 接客係長曰く、「いらっしゃいませ」のときに一礼して、「ありがとうございます・またお越し下さいませ」のときは相手が完全に背を向けるまで頭を下げておけと。
 あのね、これ、思うんですけど、絶対に「レジ」やったことがないから言える台詞ですよね。一日中とかレジやってみればこんなんやっている余裕がないことくらいわかりますよ。っつか、やってなくてもわかれ。
 早番のひとは朝礼のときに「接客用語」の声だしというものをみんなでやるんですが、遅番のひとはやらないんですね。それでまあ、接客係長は「遅番のひともやって下さい」ときたわけです。別にいいですけどね、声だしくらいさ。
 夏目は欠かさずやっていたんですが、あるとき、その姿をみたトオルさんが

 「それじゃやってる意味ないよ」

 とダメだしをしてきました。
 事務所のドアに接客用語が貼ってあるんですけど、それに向かって声のあらん限りを出して頭を下げるトオルさんの姿に、「このひと頭悪いんだな」と思いました。
 いやそんなでかい声出さなくても…っていうか、フロアに丸聞こえじゃん。ばかじゃないの。
 そんなに熱心にやってもそれほど意味がないと思う…。



 ということで、トオルさんに対してこれからは冷たい態度と冷めた目つきで望もうと思いました。


 あたまいたいわ。







 ではでは
 本日はこれにて失礼!


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