WEEKDAY OTTER

2004年10月29日(金)  月の光

 川獺屋の家の近くに、大きな金木犀の木がありました。

 秋には毎年沢山の花をつけ、青い空に浮かぶ黄金の雲のようでした。
 花は降り積もり、黒いアスファルトの宇宙に横たわる天の川のようでした。
 今年は台風のせいで早く散ってしまったけれど、存在感は変わらず、
 前を通ると幽かに花の香りが漂うような、そんな木でした。
 川獺屋は、その木が大好きでした。

 昨夕、丸い月が、花の替わりに輝いていました。かつて、枝があった場所で。
 風が吹きましたが、朝は聞こえていた葉擦れの音は聞こえませんでした。
 切られたのか、移植されたのか、
 恐らく切られたのでしょう、どこかに植え替えられたのだと思いたいけど。
 祖母は、見た目ではわからないのですが、あんまり、良くないそうです。
 大きな病院に転院することになるかもしれません。
 今日、内科の先生の説明を受けます。

 私は幸せものだと思います。誰より恵まれていると思います。
 ただ、贅沢を知っているから、強欲で我侭なのだと思います。

 欠けない望月の強い光は、私の中に消えない影を作るのですね。妙に実感。


 < 昨日  INDEX  明日 >


川獺屋