僕らの日常
 mirin



  オレンヂ@宇宙

気づいたら、目の前の世界は真っ白な光に包まれてた。

あの日、にいさん達を追いかけて出たベランダ
いつもなら、窓に僕より高い柵がかかって・・・
でも、その日は何もかかっていなくて
にいさんの背中目掛けて、思いきり飛び出していた。

遊んで欲しくて、ぎゅっ。って思いきし抱きついたら
驚いた顔で、2人の兄は僕を見てた。

「宇宙!」

え?何?どうしたの?そう思って、僕は上を見上げて
とても眩しいオレンヂ色の玉を見た、白い雲も青い空も
見た、筈だった。

「おにいちゃ・・・」『あれ、なぁに』

声にする前に体全体が熱くなって、世界が真っ白になった。

起きたら、身体中がヒリヒリしてすごく痛かった。
どうしてかな?って上手く動かない首を一生懸命動かし
周囲を見たら、カーテンで光が遮断された部屋に居た。

「宇宙・・・」

横から、おかあさんに涙でいっぱいにした顔でぎゅっ。と
抱きつかれて、僕はちょっと痛かったけど、でもすごく
悪いことをしたような気分になって、おかあさんにずっと
『ゴメンナサイ』と何度も謝っていた。

あのオレンヂ色の玉はなぁに?とはとてもじゃないけど
聞けなかった、僕はあれが錯覚じゃない本物の太陽だって
いつまでも信じてるつもりだけどね。

こんなこと言ったら、おかあさんはまた泣いちゃうのかも
しれないけど、いつかもう1度あの太陽を見上げたい。

今度は・・・ちゃんと全部感じ取れるように・・・


2002年05月06日(月)
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