つぶやきダイアリー
だってこの一日はやっぱり一度しかないのですから。。
明日があるさとは言っても書けるときに書こう!
それでは、私の日常大暴露大会。

2005年01月17日(月) 白い猫がこなくなった

白い猫がこなくなった

この街に引っ越してきた五年前
アパート探しの最後に
この部屋の前にあなたがすわってた
だから私は今もこの部屋に住んでる

白い猫
不意にやってきて
私より先にドアから入り
ミルクを飲んで
ひざに座って

目があうと
鳴いて一目散に走ってくる
並んで歩いてお部屋までいく
不思議な猫
さみしいときはいつも白い猫を探した
あなたがいたからさみしくなかった

でも、あるとき恋がはじまって
私は白い猫のことも忘れた
毎日夢をみているような
街の風景も、もやの中のように
猫もいつのまにか来なくなっていた

季節がかわり、ふと、ひとりきりになって
私は白い猫のことを思い出した
いつもねそべっていた塀の上を何度も探した
猫はいない
年老いていた白い猫はどうしたのだろう

そんなある日、見上げると
白い猫の住む家のベランダに彼がいて
こっちを見ていた
「しろ!」私は呼んだ
白い猫は何か答えたようにみえた
けれどベランダにはフェンスが張られていて
年老いた猫はもう外に出られなくなっていた

もうこの部屋に来ることもないのだろうか
私は白い猫をひとときみつめて
そして愛について考えながら
夕暮れの中をひとり家路についた


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岡さやか [HOMEPAGE]