風にふわりと 〜こころのすきま〜


わかっているから


溜息ひとつ、夜に沈んだ。
すうっと溶けて、見えなくなった。

明日のわたしを、想い描いて、
ついた溜息、掻き消えた。

誰かに遭って、わたしが述べる、
未来のことばが、怖くなる。

溜息ひとつ、夜に沈んだ。
ゆらりと揺れて、見えなくなった。

誰かを想うと、涙が零れ、
未来のわたしが、怖くなる。

膝を抱えて、小さくなって。
逃げてはいけないと、わかっていても。

溜息ひとつ、小さくついた。
夜に沁みこみ、見えなくなった。

逃げてはいけないと、わかっているから、
ゆっくりわたしは、立ち上がる。
見えぬ大地を、踏みしめる。



2003年07月21日(月)



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Akira
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