2011年08月19日(金)  愛憎こもごも。
 
御ハナが妻に怒られて大泣きしながら「心を…心をひとつにして!」と反論している。すごく大胆な反論である。ほとぼりが冷めた後にあれは一体どういう意味なのか御ハナに訊ねたところ、「ママには良い心と悪い心があって、怒ってる時には悪い心が出るの。だから心をひとつにしてって言ってるの」と、食事前にも関わらずおもちゃを片付けない自分を棚に上げてひどい云い様である。
 
要するに御ハナはフロイトのいうところのアンビバレント(両価性)を問いたいのであって、正逆相反する感情の共存によって、その二つの相反する方向へ同時に向かわせようとすることに混乱困惑し、おもちゃの片付けどころではなくなったという自らの正当性を誇示したいのだろう。
 
「じゃあパパにも悪い心があるの?」と訊ねると、「パパはかっこいいからね」と答えになっていないが、これは対象ごとにひとつの感情だけが割り振られる幼児期独特のスプリッティングという状態。単純にいうとママは嫌い、パパは好きという状態である。しかしこれは成長の一つの過程であって、これには御ハナが最初の異性としての父親への愛と、同性の母への憎しみを持つというこの頃に頂点を迎えるエディプスコンプレックスが背景にあり、いうなれば全く問題なく成長しているということである。
 
妻にしてみれば迷惑な話なのだが。
 

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