2000年10月12日(木)  弁当のオカズと金メダル。そして尿意。
不動産屋に家賃を払いに行った。
ウチのアパートの不動産屋はオバチャンとオジチャンが二人でやっている。
たいがいオバチャンしかいないのだが、このオバチャン、話が滅茶苦茶長い。
しかもNHKの国会中継のような声色で話すのだからたまらない。

来月から家賃が銀行振込になるので振込料の分、家賃が300円ほど安くなる。
オバチャン「300円安くなったら毎日の弁当のオカズが一つ増えるねぇ。」
とどこで笑っていいかわからないギャグを何度も言う。

振込の仕方→振込する銀行→銀行の場所→振込する日→弁当のオカズ一個増える。
というサイクルを本当に10回くらい繰り返す。

私は途中でひどい尿意に襲われて、オバチャンに

「何度言ってんですか。もうこれで7回目ですよ。弁当のオカズが一個増えるのは
重々承知しましたよ。弁当のオカズが一個増える。やったぁ。うれしぃよ。
これで何年か長生きもできるよ。オカズが一個も増えるんだもの。ボクにとっちゃ
ぁ高橋尚子が金メダルとったことより嬉しいよ。だって自分の事だもの。
あぁそうさ、ボクにとっては浮いた100円玉は金メダル級さ。この金メダルで
明日からの弁当のオカズ一個増やせばいいんでしょ。わかりましたよ。
重々承知しました。あ。2度言った。ほら、オバチャン、2度同じ事言われたら
気分悪いでしょ、ん?悪くない?悪いんですよ。あ、何の話してたんだっけ、
そうだそうだ。ボクは小便に行きたいんだ。腎臓から生成された淡黄色の排泄物
を体外に出す作業をしたかったんだ。要するに小便だよ。オバチャン。小便。
わかりました?弁当のオカズも金メダルも大切だけどボクにとってイチバン大切
なのは母親でも恩人でも高橋尚子でもない、小便なんだ。目の前のことがイチバン
大切なんだ。親が大切かどうかなんてのは風呂でも入って一日の反省が終わった後
にゆっくりとオマケのように考えればいいんだ。わかります?風呂の中で小便すれ
ば一石二鳥?そんな事言ってませんよ。何聞いてたんですか。わかりました。
オカズは増やします。約束します。金メダルも取ります。4年後にアテネで取り
ます。ん?そんな話はしてない?してなくても取るものは取ります。だから小便に
小便に行かせて下さい。お願いします。土下座だってします。お願いします。って
言葉が気にいらなかったら懇願します。懇願です。どう?心はいってるでしょ。」

って一斉に怒鳴りたい気分になった。尿意は時に人格をも変えてしまう。
これ、最後まで読んだ人いますか?


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