文字姫
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あの頃。→→→2005年09月13日(火)
1年前の自分の日記を読んだ。

忘れてたけれど、あの頃あたしはまだ援助をしてた。

忘れてたっていうのは、援助やめてまだ1年経ってなかったっていうことをね。
今のあたしには、もうずっと前のことに思えてならない。

書いてあることはもっともらしいことばかりだった。

『みんな出会いがなくて、溜まってるものを出したいのと、人のぬくもりが欲しいのと、淋しいのとでお金を出す。それに応えてあげられる女の子が応えてお金をもらう。あたしは別に援助は悪いことじゃないと思った。

騙してるわけじゃないし、多少演技はあるけど傷つけたいわけじゃない。
お金もらって優しくしてもらって、あたしもえっちとやさしさをあげる感じ。
癒しを与えてるっていうことにしながら、ちゃっかりあたしが癒されてたことも多い。

お金もらった「お礼に」っていう意識はそこまでなかった。
あまり文句は言わないで、にこにこ笑って、終わったらお金もらって「わぁいありがとう」って喜ぶだけだった。
文字にすると感じ悪いけど、実際はそんなに汚くない。』

『援助がいいか悪いかは、今はもうわからなくなった。

大半の人は「いけない」と言うと思う。

だけどそれが「いけない理由」は、「自分の身体は粗末にしちゃいけない」とか、「身体を売ってお金をもらうことはいけない」とか「危ないから」とかそういうことだと思う。
あたしには「危ないから」しか理解できない。

先輩とえっちしたあたしも、前彼とえっちしたあたしも、「身体を粗末に」したことになるんじゃないかと思った。

そりゃ感情は伴ってたけど、援助にだって感情はある。
違いはあるけど、大差はない。
だからわからない。』


あの頃、あたしにとって援助は、もう日常の一部になっていた。

今でいう週に数回のキャバでのバイトのように、月に何度か、誰かと寝て、収入を得て、その金を、さも普通のバイトで稼いだ金のように思いながら簡単に使った。

今でいう週に数回のキャバでのバイトのように、日常でのストレスの、発散所にしていたような気もするかもしれない。

誰かと寝てないと苛々した。

性欲とは別のなにかで苛々した。

淋しくて、その感情をやり過ごすことができていなかった。

今あたしは、彼氏としか寝てない。

彼と寝ることしか考えられないわけでもないけど、でも援助することは考えられない。

よくあんな危ないことしてたなって思う。
よくあんな気持ち悪いことしてたなって思う。

『援助にだって感情はある。
違いはあるけど、大差はない。
だからわからない。』

ってその頃の日記に書いてあったけど、あれは情じゃない。

相手にさほど不快感を覚えてなかっただけだ。
相手のことを認識してただけだ。
情じゃなかった。

あの頃あたしは、なにも考えずにそんなめちゃくちゃな生活をして、若い、高校時代を終えてしまった。

ちゃんと付き合うのがばからしくなるほど、日常的なものになっていた。

だからちゃんとした相手も作らず、そのうち金のもらえないセフレすらばからしくなって、セックスはお金がもらえるものだと、当たり前に思うようになった。

誰としても変わらないと思った。
セフレとするなら、1回援助した方がいいと思った。

今思い出すと怖くなる。

あの頃、怖かったことを思い出したくない。

色んな大人と関係を持った。
何人もの大人と。

色々教わったことも確かにあったし、感謝してる人もいる。
脅されたこともあったけど。

あの頃どれだけ助けられてようが、支えにしてようが、それでもあの頃していたことは、そういう形で出会ってしまった以上、今のあたしにとっては「間違い」で、「消したいこと」でしかない。

友達にすら言ってないから、簡単に隠せると思ってた。

確かに簡単に隠せてる。
バレる要素はほとんどないと思ってる。

だけど、あの頃予想できずに怖かったことと一緒で、隠せていたとしても、隠している罪悪感と、自分への情けなさは、きっと一生消えない。

それは今やってるキャバクラも一緒だ。
あたしは、そうやって自分に重石を載せてしまうタイプだから、全部自分に返ってくる。

あの頃あたしは、なにも考えずに、でももちろん、これから先まともに人と付き合う気はあったし、だとしたら、そうなったときに、当たり前に「隠し通す」つもりで、あんなことをしてたんだな。

本当に誰でもよくて、本当に誰も、愛してなかったんだな。

かわいそうだな。

かわいそうでならないよ。

タカを好きになって、今の彼を好きになって、よかったね。

誰かを好きになれて、その人に好きになってもらえて、あんたは幸せなんだよ。

いい加減満たされてもいいと思う。
満たされてほしいと思う。

今の状態を幸せだって思うあたしと、全部ひっくるめて見たときに、確実に冷めてるあたしとがいる。

それは、学校での勉強をそこまで頑張ってなかったり、理想とは違ってて、なにか「頑張ってる」ものがないからだと最近思った。

あたしがいちばん充実してたのは高3。
タカと隣だった頃。

セフレもいたし援助もしてたから、実際いいことしか思い出さないでいるだけなのかもしれないけど、受験期は毎日頑張ってた。

もっと頑張りたい。

あたしが頑張らなきゃ、あたしが一生懸命にならなきゃ、またあの頃みたいに感情は死んでしまう。

あたしが頑張らなきゃ、あたしが一生懸命にならなきゃ、あたしが幸せになれないだけだ。


昨日彼から、仕事終わった後にいつもみたくメールがきた。
「毎日ちゅぅしたいし一緒にいたいし、ぎゅってしたい。わがままかな?」って。

嬉しかった。
あたしだって毎日会いたい。
本気で一緒に住みたいくらい一緒にいたい。

自分がこんな風になることなんて、想像すらできなかった。

彼みたいなタイプを好きになることも、あたしがこんなに女の子になることも、想像できなかった。

セフレがいたっていうことは、なんとなくやんわり彼に前言った。

「あたしが最低だったの。思い出したくない。腐ってた」って言ったら、詮索もしてきたけど、「その時は腐ったみかんだったかもしれないけど、俺が剥いて食っちゃったから。もう俺の一部になったから。だから大丈夫だ」って笑って言われた。

どんなギャグだよってね。
でもそうやって、ふざけて笑いながら励ましてくれたのが、余計嬉しかった。

嬉しかった。
ほんとにすごく嬉しかった。

セフレは言葉をきれいにしながら言えても、援助やキャバは絶対言えない。
許されることじゃないってわかってる。

1回腐ったら、もう傷は一生消えないんだ。

彼と付き合って、彼を好きになって、愛されて、わかった。



なにもなかったことにできた?





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