2003年12月11日(木)
オショクをなくせ-トウショウ



世界で一番汚職が多い国

そうインド人は自分の国を皮肉ります。

何を根拠に世界一なのかわかりませんが、
汚職がひどいことは確かです。

政治家だけでなく、私たちが普通に付き合う
警察、電話局、郵便局等の公務員達も市民から賄賂を要求してきます。

どうやったら
この汚職をなくすことができるのか?


汚職について、インドのカラム大統領の話を知人から聞きました。
すでにご存知の方もいるかもしれないですが、インドでなくても、とても考えさせられる話なのでちょっと紹介させて頂きます。

カラムさんがある学校に講演に行きました。
会場には子供達とともに、企業家や記者、政治家も話を聞きにきていました。

カラムさんは、
私は平凡な市民として生まれて今は大統領になった。
非常に幸運であるなどなど、まず自分のことを
子供達に紹介し、そして一通り話が終わりました。

すると突然・・・

彼は大人たちの席の方にくるりと体を向け、
話し始めました。

「皆さんにお聞きしたいことがあります。

今まで私たちは汚職を追放しようと努力してきました。
しかし、未だになくなりません。
これからの40年間にインドから汚職を無くすためには
私たちはいったい何をしたらよろしいのでしょうか?」

大人たちは予想もしない質問にざわめきました。

「汚職したすべての政治家をやめさせることだ」

「法律を厳しくするべきだ」

等々いろんな意見がでました。

「でも、それらの方法は今まで試してきました。
そしてそれは汚職を無くすのに役に立ちませんでした。」
カラムさんは答えました。

それから、少し間を置いて彼は話し始めました。

「皆さん、私の考えですが・・・

汚職の原因は三つあると思います。

一つ目は・・・・

“母親”

2つ目は・・・・・

“父親”

3つ目は・・・・・

“教師”です。」

聴衆は静まりかえって聞いていました。

カラムさんは続けました。

「母親が一番なのは、一番子供に一番近く、一番子供に影響を与える存在だからです。そして、わが国の母親は子供達をだめにしています。」

「例えば、子供にミルクを飲ませたい時、わが国の母親は何をしているでしょうか?」

「彼女は、子供にこういってミルクを飲ませます。
“このミルクを飲んだらチョコレートをあげるから早く飲みなさい”と」

「またこうもいうでしょう、

“勉強したら、おもちゃを買ってあげるから”と」

「大人たちのこの行為によって
1歳、2歳の頃から子供の心に無意識の内に、

何か代償がないと何もやらなくなる癖を植えつけられていきます。

そしてこれを続けていくと、
次第に行為自体の意味や大切さよりも
代価・代償が彼らのやる気を起させる動機になっていく。

なにかもらえるからやる、何か得になるからやると・・・。」

「これを直さない限り汚職はなくならない」

と、ここまでがカラムさんが話された大体の内容です。

すごく心に響きました。っていうか怖いです。
これって日本でも意識してるかしていないにかかわらず
かなりの数の親がやってきたことだと思います。

そしてこの逆もやってます。

「宿題をやらないと、先生に怒られるよ」
「悪いことすると警察のおじちゃんがきて捕まえちゃうよ」

宿題は明らかに先生のためにやっているわけではないですし、
悪いことすると警察に捕まるのは確かですが、
それが悪いことをしちゃいけない本当の理由ではないです。

こうして先生や警察に対する歪んだ悪いイメージが植え付けられていって

誰かに怒られないためにやる。
いつもどこかでびくびくしている人間になりやすくなる。
何が正しいのかという価値観が持ちにくくなる。

そして逆に怖い対象、規制がなくなると
自分で自分をコントロールするのが
難しくなるのではないかと思います。

確かに子供を理論で説得するのは非常に難しいと思います。
すごいわがままですので・・・・。

急いでいる時は、つい強引にやらせてしまうのが人間です。

でも、やはりなるべく子供の気持ちのレベルまで降りていって
子供を待ってあげることが大切なのだと私は考えました。

別に健康で食事もちゃんと食べているのであれば
1日、2日、1ヶ月、2ヶ月、1年、2年くらい
牛乳を飲まなくてもいいじゃないかと思います。
それよりもミルクが自分で飲めるような環境作りをしながら
自分から飲むまで待ってあげたいと思います。
それに牛乳に代わるカルシウム源もあるわけですし。

そういう意味では、極論ですが、
学校1年、2年くらいいかないくてもいいかなと思います。
学校行かないと悪人になるわけじゃないですし。
自分から学校にいって自分で学びたいと思えば、後からいくらでも吸収できますし。

物事はケースバイケースで対応が違いますが、
気持ちとしてはこういう気持ちでいくことが大事かなと・・・

この話を聞いてそう思いました。

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