READY!STEADY!どっこいしょ!...刈田

 

 

配達員は何度もドアを叩く - 2004年04月29日(木)

夕方5時に知人が訪ねてくることになっていた。
ちょうど5時を過ぎたころだろうか、ベルが鳴った。
しかも催促するようにドアを叩く音まで聞こえる。
「コンコン」
まったく、そそっかしいヤツだ。
私はドアに近づくと、あるいたずらを思いついた。
向こうがドアをコンコンとやってきたのだから、自分も叩き返してやろう、と。
トイレ使用中の時の、アレである。
「コンコン」
さあ、ドアの向こうの知人はどんな反応をするのだろう。
楽しみにしていると、こんな反応が返ってきた。
「コンコン」
こともあろうに知人はドアを叩き返してきたのである。
これはオマエの冗談に付き合ってやる、というサインであろう。
ならばこちらも、それを受けるまでだ。
「コンコン」
ドアを叩き返してみると、またオウム返しにドアがなった。
「コンコン」
そうきたか。知人はまだ続けるつもりのようだ。
これでは私も引き下がっていられない。
「コンコン」
「コンコン」
「コンコン」
「コンコン」
こんなやり取りが5〜6回続いたころ、
さすがの私も、なにがなんだかわからなくなってきた。
知人がそこにいるのだ。
普通に家に上げてやればいいじゃないか。
私は静かにドアを開いた。
そこには私が予想だにしない人物が立っていた。
佐川急便の配達員だったのである。
「刈田さーん、ソフトオンデマンドさんからのお届けモノです」
何事もなかったかのように品物と伝票を渡す配達員。
私も何事もなかったように伝票にサインをした。
「ありがとうございましたー」
配達員は行ってしまった。

あのドアの越のやり取りは一体なんだったのだろう。
なぞである。


...




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