リクSS多分塚リョシリアス(今度は王子いないし不二はでしゃばるし) - 2003年01月25日(土) 『否定に隠された気持ち』 自分でも、何故あんな事をしたのかわからない。 今回も、前回も。 突き放したいのに 避けたいのに わからない。 自分のことが …この気持ちが― あの後、そこにはリョ―マの姿はなかった。 手塚はまだ図書室にいた。 広くなった空間で一人、本棚にもたれかかって天上を眺めていた。 ずるずると腰をおろして、幾度となく髪をかきあげる、無意味な仕草が続いている。 けれど心の中は荒れている所か真っ白だ。何も考えられない。何故あんな事したのか、言葉を発したのか全くわからない。自分ではない誰かが自分の口を奪って勝手に言ったとしか思えない。 また、髪をかきあげる。 そしてため息一つ。 それは自分に対しての憤り。相手に対する自分についての。 「…これで…よかったんだ…」 自然に口から出た、自分を正当化させる言葉。 立ち上がる事すらできず、床に座り込んだまま。今の手塚にはそれしかできない。目を瞑って無心にすることしか。 不意に、リョ―マの顔が浮かんだ。 あの時の、彼の顔。 急に胸が締め付けられる感覚に襲われて、反射的に手で心臓のある位置を掴んだ。その感覚は何だかわからない。 ただ、非常に、せつない。 あんな顔をさせてしまったと思うと、せつない。 手塚はその感情を即座に否定するように首を振った。 自分はたった今、その気持ちを否定したではないか。否定する道を選んだのではないか。 これで、良いんじゃないか。 結局はその結論に達した。 その時、誰かが近づいてくる気配に、手塚は顔を上げた。 そこには片手には辞書を持った制服の、いつもの柔和な微笑みで立っている人物。何もかも見透かしているような瞳。 「……不二か…」 不二はただニコッと笑った。 「部活はどうした」 その当たり前な質問に内心苦笑しつつも、委員会だと不二は答えた。そのついでに辞書を返却しに来たと言った。 不二は手塚の隣に行ったが、座らずに手塚を見下ろしている。 「…どうやら何か一悶着があったみたいだね」 さっき越前が図書室から走って出てくるの見たからね。 そう付け足して、腰をかがめて手塚に問う。 手塚は横を向いた。 「…………これで、よかったんだ」 何もかもお見通しだろうと、敢えて説明はしなかった。 その言葉を聞いて、不二は手塚に詰め寄る。 「…本当に?それでよかったの?」 「……あぁ」 それを聞いて、不二は腰をかがめるのを止めて軽く背伸びをした。辞書を本棚に戻して手塚から少し離れる。 「…よかった訳?」 もう一度。 「…………あぁ」 手塚は不二を見ずに答える。 「よくはないよ」 手塚の曖昧な態度に不二はきっぱりと言った。 「よくはないよ。…全然よくないね。何?それが越前の為だったって訳?」 「そうだ。…アイツは何か他の感情と混合しているだけだ」 自分に言い聞かせるように答えた。 そう、間違っているだけなのだ。それを正さなければならないのだ。 不二は鼻で笑ったと思うと、厳しい口調でこう言った。 「違うね」 手塚は不二の方に振り返った。その顔の眉間には皺が深く刻まれている。 「…一体、どこが違うと言うんだ」 「全部」 即答で返ってきた言葉に、手塚は嫌な気分になった。 「越前の為なんかじゃないよ」 「自分の為でしょ」 その言葉に手塚はハッとした。 「手塚、君はね…ただ、自分が可愛いだけなんだよ。自分を守りたいだけなんだよ。越前の為じゃない、保身のためだよ。……そんなに自分が可愛い?他人を傷つけてまで自分を守りたい?」 「違う!お前には関係ない!」 耐え切れなくなって思わず大声をあげてしまった。 そんな事言われなくてもとうにわかっている。 結局は自分の為だ。相手の為、は自分に対する慰めだ。 手塚は視線を床に移したまま黙りこくった。 不二は先程よりも落ち着いた声色で手塚に言い始める。 「まぁ確かに関係無いよ?でもね手塚。はっきり言うけど、君は逃げてるだけだよ?越前の気持ちに対峙しないで逃げてる臆病者だよ。違わなくなんかない。いいかげん自分にある気持ちを認めたらどう?」 手塚はギュッと手で拳を作った。 すこし、間を置いて。 「………わから、ない…」 弱々しい声でも、他には誰もいない図書室のおかげで不二には届いた。 「わからない……この気持ちがどういうものなのか。自分の行動が…。こういった感情は体験した事がないから…わからない……」 これが今わかる、自分の中の気持ち。 不二は軽くため息をついた。 「…そう」 何やら一人で納得したのか、不二は出口に向かって歩き始めた。 竜崎先生には休みだって言っておくねと、手塚に告げる。 手塚からの返答は、ない。 キィ、と扉を開けて不二は振り返った。 見えない相手に向かって言葉を投げかける。 「誰だって存在を『否定』されたくはないんじゃない?」 パタン その言葉は、静かに、深く胸にゆっくりと突き刺さった― 続 それでは対談していただきましょう・Part2 不「いやぁ、ストレス解消」 手「…………」 不「手塚苛めるの楽しい〜」 手「……もう、26日だな」 不「(強引に話題換える気だね)…いいんじゃない?」 手「どこが」 不「まい子にとってはまだ25日」 手「……すごい屁理屈だな」 不「そだね」 手「やっと次で最後か」 不「長かったねぇ〜?」 手「…時間かけすぎではないか」 不「本当。ごめんね、玖月さん。まい子が卒業までには終わらすってさ」 手「……殺されるな」 不「だね。あとまだリク残ってるし、部誌もあるし」 手「最低あと3本書かなければならないのか」 不「無理だね」 手「…そうだな…」 不「えっと〜…」 手「何を見てる?」 不「これからのSSのネタ」 手「…何がある?」 不「元旦にやったやつの続編でしょ」 手「………(やるのか)」 不「あとリョ塚」 手「…………………」 不「極めつけは越前死にネタ。塚リョ(おぉ一発変換!)だって」 手「………」 不「あらら固まっちゃってる…」 手「…不二リョはいいのか?」 不「ん〜あった方がいいなぁ。でも今は…」 手「…今は?(嫌な予感)」 不「暫くはこっちでv」 手「…何故俺を見る……って人の服脱がすな!」 不「しよ?」 手「却下だ却下!!どんどん話がずれていくだろう!?」 不「別いいじゃん?今回のSS自体おかしいんだからさ」 手「――――――!!!!」 不「この前越前だったから…ねv」 リ「ってか何で俺、対談すら出てきてないの…」 劇終。 ...
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