なんちゃってテニプリSS部誌用不二塚(塚不二かも) - 2002年12月15日(日) 『caribbean blue』 今日は快晴。 空には全くといっていい程雲の姿がなく、風はほんの微かに感じとれるくらいの弱い風。そのせいか、より一層初夏の日差しが眩しく、暑い。日差しを浴びる だけでも汗ばんでくる。それなのに、太陽の光はどこかやさしい。 真夏ほどの激しさは見られない空模様。ほんの少しの風に揺られる木々の音もさわやかに。 一言で言えば、いい天気である。 昼休み、手塚と不二は屋上にいた。 昼食後に偶然廊下で会い、どちらかが誘った訳でもなく、二人とも屋上へと足が向かったのだ。 少々重苦しい屋上への扉を開けるとそこは別世界。教室特有の息苦しさからの開放。昼間には一段と凄くなる生徒達の喧騒も、ここでは静かに聞こえる。 二人は無言のまま壁に寄りかかって座った。 手塚は持っていた本を広げ、不二はその隣に座って目を伏せた。 不二は目を閉じたまま、隣にいる手塚に声をかけた。 「よくもまぁこんな眩しい所で本なんか読めるね?」 今、不二達が座っている所は日なただ。目を閉じていてもわかるほどの光である。当然、目を開けて本を読もうとしている彼には、尚更そのことがわかるのに。光の反射で読みにくくなっているのにも関わらず、手塚は本に目を落としたまま。一向に返事が返ってこない。 本に集中しているのか、ただ答えたくないだけか。 軽くため息をついて、不二は目を開けて空を見上げた。 あまりの強さに目を細める。 「・・・ねぇ、本当にこんな所で読めてる?」 再度、同じ質問を投げかけた。 「・・・・・・読めている」 本から視線を離さず手塚が言った。どうやら答えは前者の方らしい。 その答えが何か釈然としなくて、一瞬手塚から本を取り上げようとも思ったが、それを止めて手塚の左肩に顔を寄せた。 それに気がついたのか、手塚も少し、不二の方に体重をかけてきた。 不二は何だか嬉しくなって、額を手塚の肩に乗せた。 それが彼なりの優しさ。 承諾もなく勝手に寄りかかってきた相手を払いのけようとせず、逆に少しよってくる。 心を許している証拠。 たったそれだけの事だけれども。 ほんにささいな事だけれども。 手塚がすると、何だか『トクベツ』に思えてくる。 不二は額をこすりつけた。そうして目をつぶる。 そんな二人の前を、静かに風が流れていく。それに乗って様々な音も流れていく。ただ、光だけはこちらに向かってくる。 ゆっくりと。 ずっと、 ずっとこのままだったら。 時がこれ以上針を進めなければ、刻むのを止めてしまえば、永遠にこのまま。 ずっといられる。 それは決して叶わぬ夢だけれども。時が『止まる』を知らない事はわかっていても。 この幸せを、 愛しい人との時間を、 共有できる時を、 そのまま『永遠』という形に留めておく事ができたなら。 どんなにいいことか、どんなにすばらしいことか。 だから、願ってしまう。 『ずっと永遠にこのままだったら』と― パタン、と本を閉じる音がして不二は目を覚ました。 どうやらウトウトと、いつの間にか眠っていたらしい。不覚にも、自ら時を進めてしまったようだ。 「もう・・・時間?」 目をこすりながら隣の彼に聞いた。 「あぁ」 短い応答がスグに返ってきた。 「わかった」 そうは言っても不二は起き上がろうとしなかった。その場で軽く背伸びをした。あちこちの関節伸びる。体重を支えていた左手をブラブラと振った。 目が開けられない。まだ日の光が強い。慣れるのにはもうしばらくかかりそうだ。 目を瞑った状態で、手塚の存在を手で確かめた。 もう時間だと言っていたのに、まだ手塚は座っていた。時間にうるさい手塚が立とうともせずに座っている。 「ねぇ、行かないの?」 ようやく光に慣れてきた目を開けながら、隣を見た。 ふと、視線が重なる。 ゆっくりと、近づく。 その時、 視界から光が、音が、風が、みんなして逃げた。 それもほんの一瞬。 すぐにまた戻ってくる。 不二は驚いて、スッと立ち上がった人物を呆然と見上げた。強い光と、真っ白なシャツでまた目を細める。 「め・・・ずらしいね、君からなんて」 思わず、そんなことが口から漏れた。 手塚は一回目を伏せ、それから空を見上げてこういった。 「空が・・・・・・青いから」 「は!?」 この答えには、流石の不二も驚いた。 それのどこが理由だ。屁理屈にも程がある。 「・・・それ、理由・・・?」 眉根を寄せて問う。 「・・・・・・」 キィィンコォォン・・・・・・ 二人の間を、風と共に予鈴を告げるチャイムが通り抜けた。 それを聞いて、手塚は本を持ち直して不二に背を向けた。 「・・・授業には遅れるな」 そう言い残し、手塚は中に入ろうとした。 不二はとっさに呼び止めた。 「手塚!・・・・・・手塚って、時が進まないで欲しい時ある・・・?」 意味がわからない内容に、今度は手塚が眉根を寄せる。 「・・・ないと言ったら嘘になるが・・・。それでも」 手塚は不二に振り向いて視線を合わせた。 「時には、進むといいこともあるからな」 手塚はそのまま校舎の方へ戻っていった。 一人残された不二は、無意識に髪をかきあげた。 「それ理由になってない・・・・・・」 唇に手をあて呟く。 まさか手塚の方からキスをされるとは思ってもみなかった。しかも学校で。屋上 には他に人がいないにしても、手塚はあまりこういった場所ではしてくれな い( というよりさせてくれない) なのに何故。何故手塚から? わからない。その前に自分の整理がつかない。 「普段、さんざん人のこと“わからない奴”とか言ってるくせに・・・君の方こそわからないよ」 それでも、嬉しかったのは事実。時が進むのも案外いいかもしれない。 不二は重い腰を上げ、再度背伸びをした。 首を回して空を見上げる。 「空が青い・・・・・・ね」 そこには、 ―そこには変わらぬ青の世界― 終。 眠い!!!(寝ろ) 駄文過ぎるのはご勘弁!かなり支離滅裂で!!潔いもん(オイ)ああああもうごめんなさい!!あうあうあ〜(終了) ...
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