きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 緊急治療...なのか?

本日の担当:SHY

 珍しくスカートで出掛けたときに限って、派手な転び方をするものだ。
 私とkinaで「大丈夫?」と起こすと、Sizはぐっと涙を堪えて立ち上がった。
 そこまでは、よし。
 だが、それから先がまずかった。

 痛みの余韻が気になったのだろう、Sizは屈んで自分の両膝を覗き込んだ。
 擦過傷から僅かばかりの血が滲んでいる。
 これが引き金だった。
 大声で泣き出すSizとなだめるkinaの熾烈な綱引きが始まった。

 「だからズボンはいてくればよかったんだよ〜〜〜〜〜」
 「スカートの方が可愛いから、って自分で選んだでしょ?」
 「バンドエイド貼ってよ〜、血が出ちゃうよ〜〜〜〜〜」
 「消毒してからじゃないと駄目」
 「出ちゃう出ちゃう出ちゃう出ちゃう」
 「平気平気平気平気」

 ...しかし、結局寄り切られるkina。
 手持ちがなかったので、近くのコンビニまで行くことになった。
 到着までSizは泣き通しだ。



 「はい。これでいい?」
 両膝合わせて4つものバンドエイドを貼ってもらい、ようやくSizは泣きやんだ。

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 機嫌を直した帰り道、私はSizの頬にも薄い傷があるのに気づいた。
 だが、後日そのかさぶたを掻き壊したSizがまた大騒ぎをして、顔にもバンドエイドが貼られることになるのまでは予見できなかった。

2004年03月10日(水)
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