きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 舞踏会の夜、なんだよね?

 「リカちゃんは何になりたい?」
 人形に向かって真面目に話しかけるSiz。
 kinaは夕食の支度をしているので、相手は私だ。
 シンデレラ、と応えるとSizは最近大事にしている魔法のステッキ(※実際は竹トンボのシャフト)を振りながら呪文を唱えた。
 「どう? きれいになった?」
 私が訊くと、Sizは花嫁を送り出す母親のように目を細めて喜んだ。
 「あ」
 不意に、何かに思い当たったかのように声を上げる。
 「馬車がない。馬車が」
 ちょっと待っててね、と言い残して玩具箱の方へ消えると、何やら隅の方で物色している様子...そして彼女は使い古した箱を1つ持って帰ってきた。
 そして人形を乗せて、私に一礼。
 「お城に行って来ます」
 行ってらっしゃい、と私は手を振って読みかけの雑誌に注意を戻した。


 しばらくしてぱたぱたっ、と「お城」(※所在地不明。和室の奥の方面らしいが)からSizと馬車が一緒に帰ってきた。

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 友達の家に遊びに行くんじゃないんだからっ!

2003年11月06日(木)
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