きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 必携

本日の担当:SHY

 Sizがとても大切にしている玩具の携帯がある。
 もう電池がなくなってからずいぶん経っていて、着信音も何も鳴らないのだが。
 私や母が解約した使えない携帯も与えてあるのだが、この玩具の携帯だけはいつでも持ち歩いている。
 先日、Sizがそれを持ってきて私に言った。
 「もうね、このケータイ壊れちゃって、Siz悲しいの」
 見れば私の隣で正座して、真剣に話している。
 私は少し不憫に思って、携帯を直すことを約束したのだった。
 「じゃあ、明日。きっと」


 翌日、帰宅するとSizが玄関まで出迎えに出てくれた。
 「おかえり。ケータイまだ直らないの」
 いや、だからまだ何もやっていないって。
 私はそのままUターンして、ボタン電池を買いに出掛けた。
 夕食準備中のkinaが厄介払いにSizをおまけにつけてくれる。
 まあ、約束は約束、だ。


 結局、電池の交換で音が出た。


 さらに翌日。
 買い物に出掛けようと、私とkinaが戸締まりやら何やらをしている傍らで、Sizは床に座り込んで何かに夢中になっていた。
 通り過ぎざまにのぞき込むと、自分の鞄の準備をしていた。
 中に入っているのは小さいタオルやティッシュや...。
 彼女はそこに直ったばかりの携帯を押し込もうとしていたのだった。
 「それ、うるさいから置いていきなさい」

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 絶対に大丈夫だ。安心しろ。

2003年08月28日(木)
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