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    2003年10月05日(日) [ THE MAN WHO CRIED(再UP)

    「耳に残るは君の歌声」観ましたー。
    もちろんデップ目当てでもあるんですが、
    ケイト・ブランシェットも見たかったのです。



    ケイト、かなり期待以上でした。
    紅い口紅が似合うぜ!似合いすぎるぜ…!!
    おしゃべりで小狡くて可愛い女すぎるぜ…!!

    あとロシア訛りの英語の上手さ。
    途中少しだけ出てくるロシア語の堪能なこと。おお。
    とても耳のいい役者さんなのだなぁ、と思いました。
    出身はイギリスだったかしら、と思い調べたら
    何とオーストラリアだったのですねこの人は。
    そんな、英語自体訛りの激しい地域で育ったとは思えない発音ですね…!

    一番可愛かったのは、オペラのエキストラで兵士の格好をして舞台に立つシーン。
    周りみーんな一生懸命合唱歌ってんのに、ローラ(ケイト)は一切歌わず
    兵士の演技をしている自分を思いっきり観客にアッピール。
    本当に歌えないのか、最初から覚える気がないのか。


    さて、デップはと言うと、白馬に乗ったジプシー王子でした。(勿論イカ)
    そんな…!
    わたし、デップも好きだし うまも好きだよ。
    そんな二人(一人と一頭)が組合わさったらもう最強だよ…!
    と、「デップ&馬」の予想外の組み合わせに、
    当然心の準備などできていないヤマンはクラクラ。
    しかも白馬ですよ。
    飛蔭ですよ。
    ガンダルフも落馬しますよ。

    …話を戻して。
    この白馬がまた超おりこうさんで困ります。
    どの位おりこうか、と言うと、
    テノール最大の聴かせどころ、アリア「星は光りぬ」終了後に
    舞台上で思いっきり脱糞する位、です。
    あれは怒るよテノーレ。
    だってあのオペラはテノールにとって「星は光りぬ」を歌うためにあるようなモンだもの。
    というか、ですね、あの演出自体かなりおかしなことになってると思います。
    演出家、馬愛しすぎ。
    テノール歌手が
    「この場面で客は馬じゃなくて俺を見るんだっ!」
    と怒鳴り散らしてますが、その通りです。
    テノーレの怒りもごもっとも、な位、舞台に馬上げすぎです…!(笑)

    映画的には
    「歌手ってみんなああなのかしらー。まー、ワガママねー。」
    という感情を期待しているのだと思いますが、
    私はどうしてもあのテノーレに感情移入してしまいます。可哀想!
    演出家、アレなんじゃないの、
    チェーザー(デップ)に何かヨコシマな想いでも抱いてんじゃないの。
    …と思わず変な勘ぐり入れてしまいたくなるような演出でした。えへ。



    ……ここでちょっとオペラ話を……興味ない人はすっとばして下さい……


    「星は光りぬ」ですが、テノールなら誰でも一度は歌いたいと思う(に違いない)
    という名曲中の名曲です。
    私の周りのテノールもことごとくこの歌を歌いたがったものだよ…。

    さっきもちょこっと書きましたが、テノールにとって「トスカ」というオペラは
    この「星は光りぬ」を歌うためにある、と言っても過言ではないのです。
    またスコアもそのように書かれていて、
    この「星は光りぬ」は、三幕冒頭に歌われるアリアなのです。
    二幕後半にテノールの出番はないので、
    つまり、テノールは充分休憩を取った後にこのアリアを歌えるワケです。
    準備がちゃんと出来るんですねー。心の準備も声の準備も。

    準備時間が必要なら、一幕冒頭(開演直後)の方が歌いやすいんじゃないの?
    と思われるむきもあるかも知れませんが、それもまた違うのですね。
    一幕、なり二幕なりで多少声を出した後の方が声のノリがいいんですねー。
    そういったことを全部考え合わせると、この三幕冒頭、という位置は、
    一番歌いやすい場所なのです。
    すごいですねー。
    プッチーニ(←作曲した人)親切ですねー。
    まぁそれだけ「このアリアに全てを賭けろ!」って言われてるようなもんなんですけど。
    このアリアでコケたら全部台無し、っていうことですね。プレッシャーですね!

    …また映画の話に戻りますけど、これほどまでに大切なアリア「星は光りぬ」
    を朗々と歌い上げた直後に、うまに!うまのやつに脱糞されたんですねあのテノーレは!
    どうですか……。怒りが湧いて来ませんか。


    「星は光りぬ」のことをつらつら書いていてひとつ思い出したアリアがありました。
    モーツァルトの三大オペラのひとつ、「フィガロの結婚」、
    その二幕冒頭で歌われる、伯爵夫人のアリア「愛の神よ、安らぎを与えたまえ」です。
    このアリア、非常に綺麗な旋律なのですが、
    どうやっても上手く歌えない、という難曲中の難曲です。
    これを歌うソプラノにとっては、「…安らぎを与えたまえ」という歌詞は全く人ごとではありません。

    また「星は光りぬ」とは対照的にとても地味な曲なので、
    歌い手本人がどんなに頑張って歌って、万が一会心の出来で歌い上げたとしても、
    観客の心にはイマイチ残らない、という、
    全くもう本当に、どうしようもなく歯痒いアリアなのであります。

    しかも。しかも、ですよ。
    このアリア、「愛の神よ、安らぎを与えたまえ」は、
    伯爵夫人が初登場時に歌うものなのです。
    更にそのアリアを幕冒頭に持ってくるモーツァルトって………
    すっごい、サド。
    と、思ったのでした。

    まぁモーツァルトの曲自体「ほんっと、サド…。」と思わせるものが多々…いや、ほとんど…
    い、いや、全部…かも…。
    私自身はモーツァルトを歌うのはとても好きなんですけど、
    それは歌えた時の達成感が、他の作曲家の歌とは違うからです。
    (何をもって「歌えた」とするか、は、それはもう思い込みの世界です。)

    決して私がマゾだからでは……ないと思います。



    そんなワケで今日の日記は無茶苦茶長かったですね…。
    ここまで読んだ方お疲れ様でした。
    以前のアンケートで「オペラについて書いて下さい」というのを
    何件かいただいたので、書いてみました。
    別の日の日記にしてもよかったんですけど、
    映画に関係することでもあったので一気に書いてしまいました。



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