甘い秘密

2006年12月14日(木) 痛くて痛くて辛いもの

A氏の手にしたクリップは
業務用かと思うほど頑丈そうに見えた

『嫌です・・・』
『それはイヤ・・・』

懸命に首を振り目で訴え
縛られて不自由な体で逃げようとする

指で乳首をつねられ身をよじりながら
どうしてそれが嫌なのか
散々に説明させられているうち
彼は今日小道具を見せ
私の様子を伺っているだけだと気付き安堵する

『そんな泣きそうな顔するなよ』

クスリと笑って私を抱き寄せ
首筋に素敵なキスをくれる
ゆっくりとまとわりつく唇の柔らかさに
うっとりとA氏を振り返る

背中で縛られた両手がドアノブに繋がれ
眺められてモジモジしてしまう
A氏の煙草が早く燃え尽きれば良いのにと願う

『どうした?恥ずかしいのか?』
『・・・うん・・』

『返事はハイだ』
『・・・ハイ・・・』

『俺がSだって忘れたか?』
『・・・いいえ・・・』

『逃げるんじゃないぞ』

そう言って乱暴に乳房を握り
敏感な突起にクリップを挟む

『いやあぁぁぁぁああ』

あまりの痛みに涙が滲む
自分で取り外せない2つのそれを
爪先でパチンと弾かれる度
水から上げられた魚のように飛び跳ねる

苦しいのか辛いのか恥ずかしいのか
泣きたいのか嬉しいのかも判らず

許して 許して 許して
許して 許して 許して
許して 許して 許して

うわごとのように繰り返し
つぶやき叫んでいるうちに
頭の中がぐちゃぐちゃになる

バイブが挿入される頃には
『ちゃんと濡れてるじゃないか』と笑われて

私はまだ頭が体についていけてないだけだと知った






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