華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜
MAIL  PROFILE & GUEST BOOK  


 本文が読みづらい場合、
 Windowを最大にして
 お楽しみください。

 +お知らせ+
 表紙にミニ伝言版開設!ご覧下さい。




-past- +elegy INDEX+-will-
2003年02月09日(日)

たわわに実る水蜜桃。 〜驚嘆〜


本社で担当の部署の上司と正面衝突した。
ある営業関連のプロジェクトでのトラブルに遭った。


俺が作成した書類をまともに目も通さずに投げ返す。
それを指先で突き出すと、さらに突き返される。

先日の電話での口約束とは正反対の判断を下した上司に俺は詰め寄る。
しかしまともに取り合う気も持たずに聞き流そうをする上司。

なぜか彼は俺の目を見ない。
吐き出される言葉に説得力も無い。

どこかからの圧力が掛っていたのだろうか。


ならばこの中間管理職の男を責めても仕方が無い。
本当の敵は俺達の前に現れる事の無い役員室の年寄り連中だ。


俺は上司に言い足りない事を腹に抑え、本社を出た。
追い詰め切れない自分の非力さを無意識に責めてしまう。

午後5時前。
俺は出た本社を振り返る。
和やかな夕陽が本社ビルを優しいオレンジ色に染めている。


傷心の帰り道。

本社近くの古い野球場の脇を通り掛かる。
俺にとって、思い入れの深い場所だ。

信号待ちの際、左側にあるその側道を覗いて見た。
その交差点から見通しの良い側道には、相変わらずデリヘル利用者らしき
客の車が駐まっている。


仕事の失敗から苛立ちを隠せない自分自身。
誰でも良いから、誰かに癒されたい。

俺は左に方向指示器を出し、側道に車を回した。



上着から携帯電話を取り出し、支社へ電話した。
プロジェクトの白紙撤回と、このまま直帰する事を伝える。

そして、俺はある番号を検索する。

以前、ユキエという18歳のデリヘル嬢を利用した店の電話番号である。
その時に登録しておいたが、あれから一度も利用していない。

この辺りで唯一知るデリヘルに、今から利用できるかを問い合わせた。


 「ユキエちゃんは今晩まだ出勤確認を取っていません」
「そうですか・・・なら他に誰かいますか?」

 「・・・今晩、丁度お勧めの女の子が出勤してきますねー」
「どんな感じの娘ですかね?」

 「色っぽい娘で、26歳の素人さんですね」


彼女は本職の関係で週に2〜3日しか出勤できないという。
今日がその出勤日で、いつも予約ですぐ埋まってしまう人気の娘だという。


 「仕事熱心だし、この娘なら絶対ハズレは無いですねー」
「じゃ、その娘でお願いします」


出勤時間は夜8時からだという。
あと2時間半。


俺は時間を潰すために近所のマンガ喫茶で雑誌を読みふけった。

この空間は俺は苦手な部類に入る。
しかしパチンコが嫌いな俺には、他に時間を潰す場所がない。


中途半端な時間を潰して、ようやく8時前。
再び球場横の脇道に車を廻す。

同じ目的の車が数台、エンジンを焚いたまま停車していた。


俺も路側に車を寄せて停車し、予約した娘の到着を待った。


ほぼ半年前。
熱帯夜の夜だった。
ここで俺はユキエという風俗嬢、いや少女を待った。

あの「家無き子」はまだ店に在籍しており、この仕事を続けているらしい。
どんな風に変わっているだろうか、少し気に掛る。



不意に助手席を軽くノックする音。
振り向くと、コートを着込んでいる大柄な女がドア越しに立っていた。

窓を開けると、ニッコリと笑い話し掛けてくる。


 「こんばんわ。『R』のルミ(仮名)ですー」
「あ、ああこんばんわ」

 
俺は助手席のロックを解除した。
ルミが助手席を開く。

冷えた外気が一気に車内になだれ込み、暖房を奪い去る。
俺は思わず凍えて震える。
ルミが笑った。


 「最近寒くなりましたねー」
「本当だね・・・」

 「お客さん、私とは初めてですよね?どうぞ宜しく」


底抜けに愛想の良いルミは、初対面の俺にも朗らかに話し掛けてくる。
俺はこういう娘も嫌いではない。


球場裏のラブホテル街にある『C』に入る。
ここも前回違うデリヘルで利用した。


 「ここのホテルならメンバーズカードを持ってるから安くなりますよー」
「じゃ、丁度良かった(笑)」


エントランスから入り、客室パネルの前に立つ。
今日は半分以上が空室だった。


「どの部屋でも良い?」
 「ええ、私このホテルなら全室制覇したし(笑)」

「そうなんだ(笑)、じゃお勧めの部屋は?」
 「・・・どこも似たり寄ったりですよねー(笑)」


シックな感じの部屋の210号室を選択し、エレベーターに乗る。


210号室はやはり予想通り、写真の印象よりもずっと狭い部屋だった。
ここのホテルでは、俺もこういう期待外れにも慣れた。


 「それでは、時間コースはどうなさいますか?」
「幾つコースがあるの?」

 「60分で18,000円、75分で23,000円、それ以上もありますよ」
「じゃ、75分で」

 「ありがとうございます、じゃ店に連絡しますねー」


ルミはテキパキと仕事をこなすタイプである。
俺との料金交渉も全く滞りない。


 「オプションがありますが、どうされますか?」
「何があるの?」

 「ローター、バイブ、パンスト破り、それにSMにアナルプレイも」
「・・・幾らなの?」

 「ローターとバイブが3,000円、パンストなら1,000円、SMは時価(笑)」
「SMは時価か(笑)・・・俺、ローターがいいな」

 「はーい、では75分のプレイ料金とオプション代で26,000円を先払いで」


俺が1万円札3枚を差し出すと、財布から予め準備しておいた4,000円を差し出した。

それからもルミは俺と雑談を交わしながら風呂の湯を張ったり、
お茶を入れたり・・・と休む事無く動き続ける。

しかも迷いが無いので、客の俺も余計な気を遣わなくて済む。
おまけにスタイル抜群でそれなりの美人系。

これならリピーター人気が出てもおかしくない。


 「お湯が入りましたよ、入りましょうか?」


時間にして、僅か10分足らず。
全く余分な時間を遣わない。


「すごいね、きっちりしてるね〜」
 「そんなこと無いですよ、まだ素人ですから(笑)」


下着を取ったルミを見て、俺は驚嘆の声を上げた。
彼女の胸の大きさと美しさにだ。




<以下次号>







↑エンピツ投票ボタンです。今回は4話構成です。


My追加



Directed by TAIRA
©2002 TAIRA
All Rights Reserved.

ここに登場する女性・出来事は実話です。
Web上で公開するために脚色・演出してあります。

このサイトの全てにおける無断複製・転写を一切禁止します。
また、このサイトに掲載されている文章の全てにおける著作権は放棄しておりません。
商業誌、商用サイト等への転載および引用につきましては、
「華のエレヂィ。」メールフォームより
お問い合わせ下さい。

+ very special thanks +
Design by shie*DeliEro
thanks for Photo→Cinnamon







エンピツ