華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜
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2002年11月05日(火)

18歳。�◆ 狙鍵婬い塀�〜



女が風俗業に身を投じて身体を売る理由は様々だ。


借金の返済。
遊ぶ金や小遣い欲しさ。
将来の目的のための貯金。


残念ながら昼間、普通に働くだけでは生活に廻るだけ。

夢を追える若い人ほど、収入が少ないものだ。



しかし風俗業は日陰ながらも年齢と収入がほぼ反比例する、魅惑の業界。

時として一発逆転の資金源となり、
時として一撃必殺で身を持ち崩す。


男が群がる数で全てが決まるのだ・・・
それはどこかギャンブルにも似ている。




 「女子大生の娘がいますね・・・ええ、小柄で流行りのタイプですよ」


過当競争のデリヘル業界、新規の店はいち早く顧客を掴むため、
問い合わせに電話してきた客にも喰らいつく。
甘い誘惑を次々並べて、欲望に目が眩む客を取り込もうと躍起になる。


俺が今回問い合わせた店も、オープン記念で料金を値下げしていた。
今なら一律5,000円引きで、なんと他にもサービスがあるという。


 「このセール中は、所属の女の子をノーパンで行かせますよ!」
「ノーパンって・・・下着を付けないって事ですか?」

 「ええ、そういう事です!上は付けてますが、下は・・・」


さすがはひと山当てようと、次々と知恵を絞り合うこの業界。
男の性欲を更にくすぐり、財布の紐を緩めようとする。


「それで料金は5,000円引き?」
 「はい、期間限定ですので本当に今はお値打ちですよ!」

「交通費は?」
 「チェンジ・キャンセル・交通費全て無料とさせていただいています!」


俺は良心的なその店を利用する事を決めた。
その女子大生の事を詳しく聞いてみる。


 「そうですねぇ、真面目、というか堅物?な感じですね(笑)」
「身長とかはどんなもんですか?」

 「身長は148cm、こげ茶っぽい髪でつぶらな瞳の可愛いCカップですよ」
「・・・流暢な説明ですねぇ(笑)」

 「私ですか?ありがとうございます!元営業でしたから・・・」


おしゃべりな受付の男は、脱サラしてこの会社の立上げに携わったという。
この店の創業者の一人だ。


 「やはり私も男ですから、本当にいい娘をお勧めしたいんです、ハイ」
「じゃ、その女子大生の娘をお願いします」

 「ありがとうございます!その娘なら15分ほどで行かせます」
「じゃ、市内のホテルCで」

 「分かりました、お部屋が決まりましたらもう一度連絡下さい」


やはり電話が唯一の繋がりになるこの業界で、受付の態度は最も重要だ。
客だって、電話の応対が良いと快く利用できる。




ホテルCはデリヘルやホテトルの客がよく利用する。
男がラブホテルに一人で入るというのは、どこか屈辱的なもの。
いくらデリヘル利用だと言っても、カップルには見られたくない。

ここは一人で利用しやすい雰囲気で、あまり苦痛ではない。


しかし部屋は全て満室。
パネルは全て消灯済み。
誠に景気の良い光景ではないか。

ただこういうホテルは回転がいいので時間が経てば空くだろう。
パネル横のインターホンで状況を尋ねてみた。
中年の女性風の声で、準備中の部屋があるから待合室で待てという。

俺は先程のデリヘルの受付に電話し、待合室2番に居ると告げた。

吹き抜けになっている部屋の仕切りの上からは、
隣りのカップルが居ちゃつくのか、女と男の甘えた声が聞こえる。



20分ほど経った時、待合室をノックする音。
扉を開けると、ポニーテールの小柄な女性が立っていた。 


 「はじめまして、カオリです」
「あ、はじめまして・・・こんな所でゴメンね」


カオリと名乗ったその娘は、きりっとした顔立ちで利発そうな顔立ちだった。
そして意志の強そうな力強い光を放つ瞳。


昔、大抵は学級委員を務めていた女の子、という印象をうける。

勉強もスポーツも出来、教師からは役職を任され、
学級の風紀を乱す奴には男でも俄然と注意していた・・・

クラスに一人はいた堅物な女の子。



俺はカオリを待合室に招き入れた。

カオリは待合室の固いソファに座り、足を組む。
キャンペーン中の売りだったのは、確かノーパンでの出張だったはず。


彼女はタイトなGパンを履いていた。


「ねぇ、聞いても良い?」
 「何ですか?」

「今日、その下はノーパン?」
 「いえ、ちゃんと履いてますよ」

「店の受付がうちはノーパンで出張だって言ってたよ」
 「私はあの店の所属じゃないんで、関係ないです」

「・・・どういう事?」


カオリは別の系列の店からのヘルプ(応援部隊)だった。
確かにあの受付は、所属する女の子は・・・と断りを入れていた。

騙されたような、期待しすぎたのか、少々気分をそがれた。

カオリはきつい顔立ちだけでなく、言い方もどこかトゲがあった。
語調がきつく、はっきりと語尾まで言い切る。


「どれくらい、こういう仕事してるの?」
 「2週間ですね」

「まだ短いねぇ、新人さんなんだ」
 「ええ」

「歳、幾つなの?」
 「来月で19歳になります」

「じゃ、まだ18歳なんだ」
 「ええ」

「・・・大学生って聞いたけど、一年生だ」
 「はい」

「何学部・・・ていうか、どんな勉強をしているの?」 
 「内緒です」


まるで就職面接のような会話だった。
何事もキッパリと言い返し、言い切る。

はっきり言って、可愛くない。


待合室のインターホンが鳴り、お部屋の準備が出来ました、と連絡が入る。
俺とカオリは待合室を出て電光パネルの前に進んだ。


空き部屋の灯りが一つ。
俺は仕方なくその602号室のボタンを押し、カードキーを受け取った。

振り向くとカオリはいない。
彼女はエレベーターの扉の前で、すでに上のボタンを押して待っていた。



<以下次号>








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