華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜
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2002年06月26日(水)

一生に一度の夜。 〜出逢い〜


俺が初めて女性と経験したのは、20歳の秋。


哀しいかな、早い遅いでその人の魅力まで語られる風潮がある昨今。
中学生で経験済み、などというのが珍しくない最近の若者と比べれば、
格段に遅い年齢だと思う。


今でこそ、風俗遍歴を書き連ねる程に汚れてしまった俺だが、
実は、当時一つだけ心に決めていた事がある。


『風俗で童貞喪失だけはしない』


今となっては笑止千万な約束事だが、やはり初めての体験は好きな女としたい。

その自分への約束事を守った結果が、20歳での喪失となる。

俺がSexが好きになったのも、
俺が女性を感じさせることが好きになったことも、
好きな相手と果たした、初体験の経験が大きい。

総じていい経験だったと、今でも思える。

今宵からは、そんな俺の初体験の思い出を。





俺が一人暮らしを始めた年・・・1991年の秋のことだ。

一浪後に入った大学の一年生だった俺は、
新しい生活にも慣れて、新しい人間関係を築きつつあった。

バイト関係の知り合い・糸川さんから電話が入った。


「今から(名古屋市)栄の○○○って店に行くんだが、来ないか?」


時間は午後8時。
俺の住む街から栄まで地下鉄で1時間。

さすがに躊躇したが、次の言葉に俺は行く事を決断する。


「女、紹介するから(笑い声)」


何はともあれ、人生で最も女性に興味津々な年頃である。
糸川さんは俺より年上。
さすがに男のツボを知っている。


1時間半後。

俺は、地下鉄栄駅にいた。
名古屋、そして中部地区最大の繁華街だ。

ビジネス街でもあるこの街は、昼とは違う意味で賑やかだ。
絶え間ない人込みをすり抜けながら、その店へ急ぐ。

ようやく着いた店の、分厚い木製の扉を開ける。
糸川さんの隣りには、髪の長い女性が背中を向けて座っていた。


女性の名前は、美紀子。

東京都の小金井市に住む。
見た目は、20代半ば。
趣味が多彩で、スクーバダイビングとパラグライダー。
その魅力を語り出すと、瞳をキラキラ輝かせて止まらない。


糸川さんとは「飲み友達」という事で、恋愛感情などは無いそうだ。
ダイビングのインストラクターをしている外国人の恋人と
別れて間がなく、傷心旅行がてら名古屋へ遊びにきた。

元気の無かった美紀子に、糸川さんが俺を紹介した。
「大学生なんだけど、関西弁の面白い奴がいる」と。

それが俺だったのだ。


たおやかな長く黒い髪からは、女性用のシャンプーの香り。
大人の女性だ。

しかし、美紀子の印象はあまり良いものではなかった。

年下の男の子を可愛さ余ってからかう感覚なのだろうか。
俺は抜けない関西弁の一言一言を笑われた。

これだから関東の女は嫌いだ。


「明日、バイトがあるんで失礼しますわ」

終電の時間。
自分の飲んだ代金を財布から引っ張り出し、テーブルに置いた。

いい感じで飲んでいた糸川さんは、不機嫌そうな顔をする。
相変わらずからかってくる美紀子は、意外そうな顔をする。

俺はからかわれて、機嫌が悪いのだ。


 「平良君、また一緒に飲もうよ」


美紀子は俺にそう言ってくれたそうだが、何も聞こえなかった振りをする。

俺は振り向かずに、店を出た。




 「平良よぉ、ああいう態度は良くないんじゃないか?」


後日、糸川さんから電話があった。
確かに冷たかったのかもしれない、と今になって思う。
しかし、当時の俺は怒っていた。


 「で、お前の連絡先を教えて欲しいと言われてな・・・」

まだ携帯電話も普及しておらず、eメールも無い時代だ。


 「美紀ちゃんにお前ん家の電話番号、教えておいたから」

まだストーカーなんていう言葉すらなかった、充分平和な頃。


 「電話が掛かってきたら、謝っておけよ」

そういって、俺の反論を聞くことなくぶっきらぼうに電話を切った。



その日の夜。電話が鳴る。
美紀子からだった。



<以下次号>








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