華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜
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2002年06月16日(日)

史上最大の妄想作戦。 その1

俺は基本的にSMは嫌いな部類に入る。

奥が深く、互いの信頼関係が何より大事な遊戯だというのは理解できるが、
やはり踏み入れた事の無い領域なので、暴力的なイメージが常に付きまとう。

しかしパートナーの好みによっては「愛撫の一環」として
挑戦してみようという気持ちもある。

俺は『精神的な愛撫』を前提に、一度だけライトSMに挑戦したことがある。
今回はその時のレポートを。


俺はデリヘル嬢の亜衣(仮名)をすでに10回近く指名していた。
当時では、俺の身体を最もよく知る女だった。

自称21歳。見た目も相応の亜衣。

小柄でショートカットが本当に似合い、小顔で瞳が大きく、
どこか聡明な印象をうけた。

今時珍しく相手の目を見て、自分の言葉でしっかりと会話の受け答えが出来る。
前職の水商売で鍛えた話術と駆け引きで、勤めていたデリヘルでの�癸韻世辰拭�

そんな亜衣には店のオーナーも「いい娘ですよ」と一目置いていた。


亜衣はこの仕事を
「自分と妹とがオーナーとなる店を持つための資金集め」だと位置付けていた。

そして「姉妹で親孝行したいの」と言った。
なので目標として「一年半で辞める」と宣言していた。


どんな仕事をしている人でも、俺は夢のある人は好きだ。

そういう人と接していると、精神的なパワーを分けてもらえる。
そんな気もするからだ。


そんな彼女は何かとよく喋り、俺とも仲良くしてくれる。

他愛も無い会話が盛り上がり、プレイ時間が足りなくなる事もあった。
「他のお客さんだと出来ないんだけど・・・」と、
彼女のプライベートに関わる相談を受けたこともあった。

何よりも信頼される事は嬉しいではないか。
俺も客、という立場を超えて経験談を交えて話し込んだこともある。



しかしすでに何度も何度もプレイを重ね、
互いの肉体を知り尽くしている関係になっていた。

少しマンネリ気味。

安心して身体を任せていられるのは楽で良いと思うが、やはり刺激が欲しい。


「亜衣ちゃん、SMってやったことある?」
 「私?ないなぁ・・・平良さんは?」

「俺も無い。でも相手が喜んでくれるんならやってもいいかな」
 「でも何か痛そう・・・」


俺は暴力は嫌いだ。

特に女性や弱者に対して振るう暴力は虫唾が走るほど。
しかし相手が喜んでくれるのなら、俺も自分の領域を広げる意味で挑戦してみたい。


「亜衣ちゃん、今度はホテルに呼ぶから」
 「えぇ、いいの?お金掛かっちゃうよ?」


俺は一人暮らしなのでデリヘルは自分の部屋に呼ぶ。
しかし刺激はまず環境を変えるところから始まる。



俺は「精神的な刺激」を念頭に、作戦を練る。
様々なシチュエーションを考えた。

鏡の前での羞恥プレイ、言葉攻め、バイブやローターを使ったプレイ・・・

いまいち迫力と刺激に欠ける。

そこで俺はテレコミでの経験から単純な作戦を思いついた。
女を燃え上がらせる武器。

「妄想」だ。


男がアダルトビデオを見て興奮するが、女はそうでもない。
何故か。


男の性感は「視覚」「聴覚」「触覚」といった直接的な感覚から高まるのに対し、
女の性感は「触覚」と何より「想像力」から高まるという。
女性のオナニーは妄想から始まる事が多い。


また女はテレフォンSexでも、男のように直接的で直情的な言葉では冷めてしまう。
それよりも間接的で妄想の広がるような言葉を選んで話し掛けると熱く溶けてくる。

妄想から火のついた女の肉体は男のそれよりも激しく、長く燃え上がるのだ。


その妄想を高めるためにはどうすればいいのだろうか。

迷いつつ思いついたのは某小説家の書いたSMチックな問題小説「トパ○ズ」の
ポスターだった。


黒い皮の目隠し。視覚を奪えば妄想を高めることが出来るはず。

そしてある程度の身体の自由を奪えば、相手の要求も拒めないはず。
だったら拘束だ。


そして妄想を高める体位を取らせることも必要だ。

最も女が男に見せたくない、見られたくないものを見せる工夫。
妄想をかき立てる小道具も欲しい。


俺は様々な仕掛けを考えて、亜衣を本気で燃えさせる演出を練った。

亜衣のためではない。あくまで俺の欲望を満たすためだ。
何時の間にか、俺はサディスティックな感覚を目覚めさせつつあった。


期日は来月の給料日の次の日だ。



<以下次号>








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