2009年10月08日(木)  夫婦別姓に賛成ですか?

民主党政権になり、夫婦別姓の法制化が前向きに検討されているらしい。それを受けて、新聞の投書欄でも議論が活発で、待望派、慎重派、反対派、様々な意見があるのを興味深く見ている。子どもと親の姓が異なる事態を認めてしまうのは家庭の崩壊につながるから断固反対という意見に対し、名前が同じであれば円満という保証もないという反論が寄せられたりしている。たしかに、同じ苗字を名乗り、同じ家に暮らしていても、気持ちが同じほうを向いているとは限らないなと考えさせられる。

「反対ならば別姓を選択しなければいいのだ」という声もごもっともなのだけど、そもそも「旧姓を名乗り続けるか、結婚後の姓に乗り換えるかの二者択一」が前提となっているのが、わたしはとても気になる。

結婚後も旧姓のまま仕事を続ける女性がふえ、戸籍上の姓との違いから起こる不都合を解消するために、夫婦別姓を求める声が大きくなってきたのだと察する。けれど、結婚後の姓を名乗る必要がある場面も多々あり、「どちらか一つを選ぶ」となると、それはそれで不便や摩擦が生じる。子どもと母親の姓が異なることが家庭崩壊につながるかどうかは疑問だけれど、まわりを混乱させてしまうことは想像できる。保育園や小児科で「子どもの苗字は○○ですが、わたしは今井です」と説明するよりは、そろえたほうが話は早い。

戸籍の名前まで分ける必要はなくて、戸籍上の本名と旧姓との併用が認められるだけで、ずいぶん助かる。必要に応じて旧姓と結婚後の姓を使い分けられたらありがたいというのが、旧姓で仕事を続けるわたしの希望だ。「ひとつの家庭に二つの苗字を存在させる」夫婦別姓より、「個人の中に二つの苗字を存在させる」個人両姓(?)の発想のほうが柔軟な運用ができるように思う。家族としては夫や子どもと同姓、個人としては別姓を名乗るという風に。

わたしの場合、旧姓を筆名にしているため、所属している文芸美術国民健康保険組合の保険証には「本名」と「筆名 今井雅子」が併記されている。公的身分証に入っているおかげで、旧姓が通用する場面も多い。以前日記(>>>2007年05月01日(火) 今井雅子という人物は存在しない!?)にも書いたけれど、銀行で旧姓名義のカードの住所変更を申請したところ、「今井雅子という人物は戸籍上存在しない」と断られたことがあった。姓が変わったことで結婚前の自分が抹消されたような言い方にショックを受けたが、「筆名 今井雅子」の保険証を出すと、相手の態度が一変し、「今井雅子は存在する」ことになった。保険証やパスポートに結婚後の姓と旧姓を併記できるだけでも、ずいぶん自由度が上がるのになあと感じている。カード名義書き換えの手続きが面倒でブルーになる事態も避けられる。

ところで、母親の姓が二つあることについて、子どもはどう感じるのだろう。三歳の娘のたまに「ママのお仕事の名前は今井雅子っていってね、ママが結婚する前の名前なの。知ってる?」と聞いたところ、
「うん。たまちゃんも おしごとの おなまえ あるの。たまっていうの」と答えが返ってきた。たまにとっては、仕事の名前も旧姓もあだ名という理解らしい。それぐらいのおおらかさ、しなやかさで夫婦別姓を語るのも、いいんじゃないかと思う。

わたし「え? たま、タレント活動してるの?」
たま「うん。テラントかつどう」
わたし「テラントじゃなくて、タレントだよ」
たま「タラントかつどう」

何かが足らんと? でも、自己肯定感は足りているようだ。夕食のときに「野菜食べなきゃ、かわいくなれないよ」と言うと、「たまちゃん もうかわいくなってるもん」とうぬぼれていたけれど、「ママもかわいい」とのことだから、ハードルは低い。

わたし「じゃあ、パパは?」
たま「かっこいい」
わたし「じいじは?」
たま「しろい」
わたし「ばあばは?」
たま「むらさき」

こんな会話にも和まされ(風邪を引いたアイスクリームちゃんにガーゼのお布団をかけて寝かしつける姿にも和まされる)、お笑いタラントの素質は十分かしらなどとニヤニヤしながら、やっぱり親子の姓はおそろいがいいなと思った。

【お知らせ】あと10日で「冷凍マイナス18号」の日

冷凍(10)食品はマイナス18度以下で保存すれば、保存料を使わなくても長持ち可能。だから、10月18日は冷凍食品の日。ということを知らせるため、日本冷凍食品協会を担当していたコピーライター時代にデザイナーの古川ジュンさんと「冷凍マイナス18号」というキャラクターを提案。キャラクターデザインを久保誠二郎さんにお願いしてファミリー展開し、調子に乗ってPRソングを作り、CDつき飛び出す絵本が当たるプレゼントも実施した。いまいまさこ作詞、でこぼこフレンズの福井洋介さん作曲の「冷凍マイナス18号ソング」はyoutubeで観られ、うちのたまのお気に入り。冷凍食品の日10日前の本日、1000アクセス達成。そのうち100はたまが観てます。

2008年10月08日(水)  願えば never ever

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