2009年09月12日(土)  「ツジモトは約束を守りますか?」の会

学生時代からの友人で新聞記者のウヅカ君が海外特派員になる夢を叶えてイランへ赴任することになり、共通の友人であるセピー君とツジモトさんも招いて、わが家で送別会を開く。うちのダンナを加えた男性四人は日本人と留学生がともに暮らす寮に下宿していた仲間で、寮の近所に住んでいたわたしは、ちょくちょくパーティに顔を出していた。


主役のウヅカ君が持って来てくれたケーキのメッセージは「たまちゃんもがんばってね」。期待以上に不安も大きかろうが、そこには心強い仲間の支えがある。ツジモトさんはウヅカ君にイラン駐在の役人を紹介し、お父さんの母国イランで生まれ育ち、大学でペルシャ語を教えるセピー君はウヅカ君に個人レッスンで仕込んでいるところ。その寮の出身者の世界を股にかける活躍とネットワークは大したもので、国に帰った留学生たちは、国家の要職に就いたり、大臣クラスの通訳になったり、それぞれの国を背負う人材になっている。

ウヅカ君とセピー君が実践しているのが、「ツジモトは約束を守りますか?」「ツジモトは来ますか?」などと例文の三人称を「ツジモト」にする方法。親しみが湧くのか、頭に入りやすく、驚異的なスピードで習得しているのだという。「通常ペルシャ語の文法を教えるのに一年はかかると思ってたけど、2か月でできることがわかった」とセピー君。

「ちょっと、人を勝手に例文にしないでもらえる?」とツジモトさんが反論。最年長のツジモトさんは同級生であるわたしたちより3つ上で、優秀な成績でキャリア官僚に合格し、尊敬を集めていたはずなのに、いつの間にかいじられ役に没落してしまったことが解せない様子。朝ドラ「つばさ」にわたしが関わっていることを知らなかった、というネタでもさんざん攻撃を浴びる。たしかにドラマが始まったときに「元キャリア官僚が重要な役割で登場します」と案内を送り、返事ももらっていたはずなのだけど、「官僚、官僚と言うな」のようなとんちんかんな返信だったから、内容を理解していなかったのかもしれない。

「つばさ」を一度も観たことがないとツジモトさんが言うので、「朝何時に家を出てるんですか?」と聞くと、「7時」。居酒屋タクシーにも乗らず、終電までこつこつ働いているという。「ちょうど今からやるので観ましょう」と夜7:30からの再放送をつけると、「アンジェラ・アキさんという人が主題歌を歌っているのか? この人はグループ?」。「これが経済産業省出身の真瀬さんですよ」と画面を指差したが、宅間孝行さんの顔は知らず、ヒロインの多部ちゃんのことも知らなかった。

いきなり土曜の回を見せられてもちんぷんかんぷんだったようだけど、クレジットにわたしの名前が出たことには興奮して、「すごいすごい」と半年遅れで喜んでくれた。「反響は賛否両論まっ二つなんですよ」と言うと、「法案でも議論を呼ぶほうがいいんだ。何にも引っかからない当たり障りのないものより、意味がある」と熱く語っていた。帰り際、「つばさ、観ます!」と力強く言ってくれたけど。来週から出勤を遅らせるのだろうか。ツジモトは約束を守りますか?

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