2002年01月12日(土)  アボルファズル・ジャリリ 

■家から歩いて五分ほどの距離に三百人劇場がある。劇団昂のアトリエだが、良質の映画を上映することでも知られている。ここで先月末から一か月間、イランのアボルファズル・ジャリリ監督の特集をやっている。イラン映画を劇場で見たことはなく、これも何かの縁だと思い、『スプリング 春へ』を見る。がらがらかと思ったら、席は八割がた埋まっていた。二百五十人ほど入っている計算。イラン映画人気なのか、監督人気なのか。イラン・イラク戦争のさなかに家族と離れて森番の老人の家に身を寄せる少年の話。ハリウッド映画とも日本映画ともヨーロッパ映画とも違う不思議な空気。とくに大きな事件が起こるわけでもないのに、いつの間にか主人公の気持ちに引きつけられている。「森はつまらない。家族に会いたい」と泣く少年。「お前がいなくなると、わしがつまらない」と嘆く老人。素直すぎる台詞のやりとりが新鮮。イランの監督は「脚本どおりに撮るのではなく、撮りながら作品をつくっていく」というスタイルが多いと聞いていたが、その意味がわかった気がした。翻訳のゴルパリアンさんは『風の絨毯』でもお世話になっている人。■ミキちゃんミナちゃんに誘われて、表参道の『suginoko chinois』で夕食。おいしいものを食べると、これはわが家でも作れるかなと考えてしまう。たいてい失敗するのだが。食後は『GOOD DAY』に場所を移す。犬を連れて入れるカフェ。飾りつけのホイップがチーズクリームになっているブルーベリーチーズケーキでチーズを満喫。

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