終わりなき戯言
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2006年05月11日(木)
市の舞
 くるくると、指先の動きが流線を描く。
 それに合わせて舞う袖が、ふわりと優しく風を切った。
 一際大きく太鼓が鳴って、ピタリとその風が止まる。
 数瞬の静寂の後、踊り子は静かに見物客に礼をした。

「綺麗な人ですね。歌い手も中々のものです」
「綺麗・・・だけか?」

 それとは判らないような含み笑いと共に人込みから抜けたシエルを、アルフィンは離れないように足早に追った。
 彼もまた意味ありげな視線を喝采の中心にいる一座に向ける。

「さあ、どうですかね?動きが少々軽すぎる気もします」
「それは踊りの方か?それとも剣士としてか?」
「両方です」

 彼らの背後で再び音楽が奏でられ始める。
 どうやらもう一曲踊るらしく、それを喜んで周囲の観客が拍手を送った。

「君に踊りの経験が?」
「まさか。ああ、でも貴方が望むならいくらでも舞いますよ。剣舞限定で」
「戦いの場で?それならもう見たのだけどね」
「何なら今すぐにでも?」
「いや、折角楽しんでいるんだ。邪魔するのは悪い」

 次第に遠くなる音色を聴きながら、アルフィンは前を歩くシエルの背中を眺めた。
 丁度通り過ぎた屋台から美味しそうな匂いがした。

「じゃあ、今夜に?」
「ああ、そうだな。今夜の機会にとっておけ」
「久し振りのお供だから張り切っちゃおうかなー」
「・・・一応言っておくが生け捕りだぞ?」
「わかってますよ。人を殺人狂みたいに言わないで下さい」

 失礼な、と口を尖らせたアルフィンの声が可笑しかったのだろう、シエルが小さな笑い声を零した。
 それを知ったアルフィンもまた口元に笑みを浮かべる。

 今宵貴方の御前で極上の舞を見せましょう。
 そして幕が下りた後、唯一人の観客の前で、華麗に微笑んでみせましょう。
 その切先が何処に向いているかなんて、その時になるまできっと誰も知りはしない。

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シエル&アルフィン。捕物でもあるんでしょう。
近衛隊の仕事って結構幅広いというか雑用やらお使いやら山賊退治やら何から何までやってそうな気がします。
何にせよそう簡単に副隊長自ら出向かないと思いますが(笑)
今凄く小説書きたいです。今なら何か書けそうな気がする・・・!
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