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2005年04月11日(月)
経験と性(さが)
「こうゆう時はね、大人しくしているのが一番だと思うんだよ、リオン」「うぅ・・・」 悠々と腕を組みながらティルが小声で自分の意見を述べると、リオンは更に眉間の皺を深くした。 わかっていることはたった一つ、自分達がしゃしゃりでてもどうにもならないということ。 首を突っ込んでも物事を余計に拗らせることしかできないということ。 ならば何もせずに流れに身を任せてしまった方がいい。 あまりにも冷静にティルは言う。 無駄な火の粉を被らない方法を僕達は知っている筈だ、と。 「でも・・・やっぱり、無理です」 「・・・だろうね」 実は僕もそろそろ限界なんだよね、と小さく笑って。 傍らの棍を手に立ち上がったティルに、リオンは「性ですね」と嬉しそうに呟いた。 「まずは話し合い?」 「そうですね、とりあえずは」 「それで終わらなかったら?」 「ティルさんだったらどうします?」 「僕は君を守るだけさ。その結果どうなるかは知らないけど」 ティルが軽く肩を竦めると、リオンは少しだけ心配するように考えて。 そしてトンファーを持たずに歩き出した。 「何とか話し合いで終わらせてみます」 「うん、頑張って。駄目でもその後は僕が何とかするから安心していいよ」 「・・・・・・絶対に終わらせます」 「でもさ、一番手っ取り早いのは暴力なんだよね。結局」 「だから『まずは話し合い』って言ったじゃないですか」 トントンと棍で肩を叩いて周囲を見回したティルに、リオンは溜息混じりにそう返した。 彼らの周囲の地面には、何人もの男が倒れている。 辺りを騒がしていた乱闘は、たった一人の少年によってあっという間に終わってしまっていた。 「だってねぇ・・・いきなり君の胸座掴まれて黙ってられるわけないじゃないか」 「あれくらい僕一人で払えますよ」 「これも性ってやつかな」 あっけなく言い放ち、ティルは当然のように笑顔を浮かべた。 |