終わりなき戯言
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2005年01月11日(火)
距離
「それで、明日その商船の航路とぶつかるらしいから、何か欲しいものはないかって」
「別に・・・」
 見下ろす鳶色の目から逃れるように、テッドはアルドから視線を逸らした。
 軍主から発せられる連絡事項は、ときに伝言形式で伝えられる。
 それが大抵アルドから伝わってくるのは偶然かはたまた必然か、どちらにせよどんな些細なものでも軍からの連絡なので聞かないわけにもいかず、通路で呼び止められるままにこうしてアルドと向き合っている。
 今回は明日の商船との取引についてだ。
 海が殆どの面積を占める群島では各島を結ぶ交易の他に海上での船同士の売買も珍しくはない。
 この船も時折商船から食料や防具を買ったり、逆に引き網やモンスターを倒して手に入れた物を売ったりして軍費を補っている。
 物を買い入れる場合は個人よりも軍として一度に買った方が楽なので、こうして事前に必要なものはないかと連絡が回ってくるのである。
「でもほら、僕達の場合矢とか消耗するだろう?」
「結構使い回してるし、まだ充分足りる」
「じゃあ、食べたいものとかは?テッド君、魚苦手だし・・・」
「好きじゃないってだけで、食べれないわけじゃない」
「・・・本当にないの?欲しいもの」
「・・・・・・別に」
 そっぽを向いたまま受け答えをするテッドの表情にはこれといった変化はないが、アルドにはどうしても引っ掛かることがある。
 いつもならこの時点でテッドはアルドから離れているところではないだろうか。
 目を合わせてくれないテッドを見下ろしながらアルドは少し考えて、そして何かに気付いたように両の手を打った。
「あ、そうか」
 そう言って腰を折り、膝の上に手を乗せる。
 テッドと同じ高さに頭をもってきたアルドに、テッドは思わず眉を顰めた。
「・・・何なんだよ、ソレ」
「見下ろされるのが嫌なのかと思って」
 にこにこと、見ている方が気が抜けるような笑顔を浮かべるアルドとは反対に、テッドは不愉快そうに眉間に皺を寄せた。
「・・・・・・遠回しに俺をチビだと言いたいのか?」
「そんなんじゃないよ。ただ、見下ろされるのって怖いのかなって」
「・・・そんなわけあるか」
 そもそもお前なんか怖がりようがないと言いながら、テッドはアルドの顔から目を逸らせなくなってしまった。
 いつもよりも近くにある顔がどうにも慣れなくて、なのにやけに新鮮で。
 アルドは相変わらず真正面からテッドを見つめたまま、軽く首を傾げる。
「それで、テッド君が欲しいものは何?」
 目の前での問い掛けにテッドも観念したように小さな声で呟いた。
「・・・・・・手袋」
「ああ、そういえばそれも結構古いものだよね」
「話はそれだけか?」
「うん、それだけ。ちゃんとフェイさんに伝えるよ」
 にっこりと嬉しそうに微笑んだアルドを一瞥して、テッドは足早に歩き出す。
 そしてアルドから見えない場所まで来ると、やっと落ち着けたように大きく息を吐いた。
 同じ位置に目線があるだけで、どうしてあんなに簡単に言葉が口を突いて出てしまったのだろう。
 確かに古くなった手袋を買い換えようか迷ってはいたけれど、その迷いを見抜かれたような気がして、何故か負けた気分だった。
「・・・・・・そういや・・・」
 呟いたテッドだったが、自分が何を言おうとしているのか気付いて咄嗟に口を閉じる。
 アルドの顔をあんなに間近に見たのは初めてだなんて、そんなことを考えてどうしようというのだろうか。

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萌えを頂くとどうしても何かにして吐き出したくなります。
そんなわけで出来てしまった小話。
小話はほとんど推敲なしなので、おかしなところがあっても気にしないで下さい;

そろそろ年賀絵を下げないといけませんね。
トップもいつもまでも落描きなのは自分的に居た堪れないです・・・。

ああ、明日から大学が始まってしまう・・・。
休み明け一日目の心配はいつも「朝起きれるか」です(笑)


すみません、小話書いていたら拍手お返事の時間がなくなりました・・・(馬鹿)
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