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2004年08月14日(土)
似て非なる者達の物語
「―――!」名を呼ばれた。剣戟と馬蹄の音が響く中、その声が聞こえた瞬間だけは何故か他の音が耳に入らなかった。土煙の向こう、ゆっくりと流れていく景色は鮮明で。一分一秒の気の緩みが命取りになる戦場で、シエルは動くことを止めた。 「・・・アルフィン」 自然と紡ぐ言葉は言い慣れた、しかし声に出すのは懐かしい名前。久しく見なかった顔は、やはりシエルと同じように彼を見つめていた。 剣を握らなければ。馬首を翻して、彼に刃を向けなければ。 彼は、敵将だ。彼さえ討てば、この戦いは終わったも同じ。 頭ではそう思うのに身体が動かない。覚悟はしたのに、それさえもこの場では薄っぺらいものに思えて。この一瞬が永遠に続けばいいとさえ思った。 この戦に何の意味があるのだろう。貪欲な者達は勝利と広大な領土を手中に収めても決して満足などしないだろうに。国を守る為のこの地位は、愛した者を殺す為に手に入れたものではなかった筈なのに。 そう考えるとこの状況が酷く滑稽で馬鹿馬鹿しいものに思えて、シエルは口の端を持ち上げた。何を笑っているのか自分でも解らずに、ただ、顔が綻んでいた。 「・・・・・・丁度良いところで会った」 シエルは言いながら馬の鞍に括り付けてあった瓶を外してアルフィンに投げた。 アルフィンは驚きながらそれを受け止め、不思議な顔で瓶とシエルの顔を交互に見つめる。 二人の周りはまだ戦闘が続いていたが、二人の間には何か特別な力が働いているかのように誰もいなかった。誰も彼らが見えていないかのように二人を攻撃しようともしなかった。 「いつだったか、話しただろう。南方のワインだ。やっと手に入ったから約束通り分けてやる」 共に飲みたかったが叶いそうもない。そう言って苦笑する。アルフィンは目を見開いて、それから笑っているのか泣いているのか判らないような笑顔でそれに答えた。 そしてアルフィンもまた腰に下げていた瓶を手に取ると、シエルに投げて寄越した。丁度馬上のシエルの胸元に届いたそれは、タプンと水音を響かせていた。 「何というか、考えてることは同じなんですね」 瓶の中身を察したシエルは、本当に、と呆れたように笑う。二人は互いに心得ているように暫く相手を眺め、そして肩の力を抜いた。 「・・・飲むか」 「当然でしょ」 敵将を目の前に、彼らは武器を取ることなく自軍へと振り返る。そしてそれは唐突に両軍に響き渡った。 「全軍戦闘を止めよ!後退だ!これより敵を追うことも殺すことも許さぬ!」 「戦闘停止!皆、剣を引け!丘の向こうまで後退しろ!」 戦場で酒を酌み交わす。偶にはそんな馬鹿げた行為も良いじゃないか。 --------------------------------------------------------------------- 三組目のWリーダー、シエルとアルフィン。 こんなところでしか書けないので気分転換に書いてみる。 今のところ日記でのみ公開中。といっても稀に顔見せる程度ですけど。 彼らは他と違って色々と特殊な設定です。歴史捻じ曲げてますから。 だから厳密に言うと「Wリーダー」じゃないんですよね・・・。 ああ早く奴らの話をちゃんと書いてみたい。妄想だけが膨らんできます(笑) でも今はあの四人で手一杯です; オリンピック開会式、観ました。 まさか朝方六時まであるとは・・・。 ええ、起きてましたよ・・・朝まで・・・。 その前はワッキーの地名しりとり納涼SPを観てました。 地方の番組なので皆知らないだろうなぁ(東海の方は知ってますよね?) 何故にあんなに三重の地名が出ないんでしょうかねぇ? 三重県民としましては早く三重の地に辿り着いていただきたいです。 でも三重の地名が出たらしりとり終わっちゃうので複雑な心境でもあります。 |