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2004年02月19日(木)
癖
癖というものは誰にでもあるもので、本人は指摘されるまで気付かなかったりする。窓の縁に腰をかけ、ぼんやりと外を見ている彼は、一見何も考えていないようで。 でも、口元に当てた手がそうでないことを物語っていた。 ティルさん。 心の中で名を呼んだ。 あなたは気付いていますか? 考え事をするときに口に手を当てる、癖。 ティルさん。 もう一度呼ぶ。 でも全然相手は気付かなくて。 声に出してないのだから当たり前なんだけど、やっぱり少し寂しい。 何かを真剣に考え込んでいるとは思えない横顔は僕を見ない。 ぼんやりと、外ばかりを見て。 「ティルさん」 「・・・ん?あぁ、何だい?」 「何を考えてるんですか?」 その問いに、にこり、と笑って。 「大した事じゃないよ」 その笑顔につい、そうですか、と僕も笑う。 彼は嘘吐きだから。 ティルさん、あなたは気付いていますか? 嘘を吐くときにとても綺麗に笑う、癖。 |