日記雑記
ソンナモノハ妄想ダ 表紙|以前|以後
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「太陽の塔」森見登美彦 一度読み返したので思ったよりも時間がかかった。読み返すのは決して嫌ではなかった。
京大五年目の主人公たちのもてない男具合がすごいです。もてないならもてないで、諦めてしまえばいいものを、ちょっと未練がましくクリスマスなんて嫌いだ嫌いだと言ってしまう気の毒さ。 主人公は、はじめて付き合った猫のような彼女に振られたけれど、未だに彼女を付けて観察しています。自分を正当化しつつかなり自虐的で面白かった。事の是非というよりは、口ぶりの一字一句の面白さです。 とりあえずサンタ鍋という表現に電車の中で微笑んでしまいました。サークルだって「男汁」なんていう物凄い名称でなかったなら一度覗いてみたい(笑)。
色々な意味合いで妄想が突っ走る所もよかった。妄想といってもオタクっぽさは殆どないんですが、頭良さそうに見せかけておいて限りなくしょうもないです。
“ 我々は二人で頭をつき合わせては、容赦なく膨らみ続ける自分たちの妄想に傷つき続けて幾星霜、すでに満身創痍であった。そうして我々は「世の中腐ってる」と嘆くのだったが、正直なところ、時には、世の中が腐ってるのか我々が腐ってるのか分からなくなることもあった。ともかく、我々の日常の大半は、そのように豊かで過酷な妄想によって成り立っていた。 かつて飾磨はこう言った。 「我々の日常の90パーセントは、頭の中で起こっている」”(本文より)
邪眼の植村嬢とか高薮とか、果ては飾磨の妹とか、少ししか出ていないにもかかわらず味のありそうなキャラクターがたくさんいました。ラストに持っていくまでに落ちがつかないのが勿体無いような気もします。が、このとっ散らかり具合も何かいいです。猫ラーメンって何だったんだ。 ファンタジーノベル大賞の小説の落ちが「…!?」なのは割と経験がありますし。異世界・魔法というよりむしろ、異界・幻想っぽくなっております。真夜中の叡山電車の場面が一番それっぽいです。
私は何だかんだで結構好きなんですが、アマゾンのレビュー見ると微妙…?嫌いな人は嫌いかもしれません。 作者と主人公はどれだけ近づいてても違うし、学歴ネタ(主人公は京大生)も限りなく自虐的に扱われているように感じました。
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