日記雑記
ソンナモノハ妄想ダ 表紙|以前|以後
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「蝿の王」 ウィリアム・ゴールディング
凹むよと言われてたけど本当に凹んだ。
無人島に少年たちが不時着して生きる話です。どうせなら十五少年漂流記からにしておけばよかった気がする。 怖かったです。凹む展開だと聞いているだけに余計にじわじわと不安があおられます。山火事が起きる時点で、まだまだこれからなんだろうなあと。
蝿の王とサイモンの対面の場面と、「獣」が飛び出してくる場面は異なる意味で怖かったです。特に後者はヒステリックな集団の怖さを思い知らされ。そして、その後での予想外の「あの子は死人がどうのこうのといってたけど」にびっくりしましたよ。知っていたというのでしょうか。
隈取りをする=理性を隠す=蛮人(=黒人)みたいな図式に納得できないものを感じましたが、50年も前の作品だと仕方がないのでしょうか。でもそういう部分を越えて、「獣性」は登場人物皆の中に眠っているのだと、それに、スイッチは簡単に切り替わるのかもしれないと最後まで読んで思いました。
ピギー。正論が勝つとは限らないのが気の毒でした。もうちょっと言い方とかなかったのかな、と。でも、いますね、こういう人。私達の日常もそうです。 似てるんだけれど比較的穏やか路線のサイモンが好きです。あそこに放り込まれた場合こうしていたいなという姿であるものの、自分が12歳やそこらの時だったらあっさり目覚めて走り回っていたかもしれません。あの年代だったら何かおきててもおかしくない雰囲気がありました。 因みに途中から気になりだしたので、すらりと背の高い子なのかと思い込みながら読んでました。何故にそんなにラーフが好きなのかと不思議でした(笑)。小柄だと聞けば納得するものがあります。 ロジャーが登場時から何となく悪の血を引いてそうな雰囲気でどうも引っかかりました。そういう意味合いではないと思うのですが。
一度目は熱に浮かされたように読んでしまいましたが、もう一回読み返すのには努力が要るような気がしました。
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