日記雑記
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| 2005年10月05日(水) |
「闇の底のシルキー」 |
「闇の底のシルキー」 デイヴィッド・アーモンド
シルキーとは昔その炭坑の中で目撃された、いたずら好きのきらめく少年のこと。大きな落盤事故で閉じ込められ助けることのできなかった少年炭坑夫だとも言われています。おじいちゃんは今でも夢の中でシルキーを追いかけています。
魅入られたかのように<死>という名のゲームをする少年アスキュー。主人公キットは一見粗暴な彼に惹かれます。二人は同じ<無>を、過去を見るのです。アスキューは絵を描き、キットは物語を紡ぎます。
闇。昔の炭鉱だった町に残る歴史。記念碑。 否定したって「ある」ものは「ある」のです。闇に惹かれること自体は悪いことではないと思うんですよ。邪悪だと最初から決まっているわけではなくて、それに関っていく人間によるだと思います。
キットと一緒になって闇に惹かれ、ブッシュ先生が駆けつけてきたときにはかなり頭にきました(笑)。いいところだったのに。 でも「あなたたちがもってるような想像力は、とってもパワーがある」のシーンでちょっと見直しました。校長とはちょっと違う、この人はちゃんと理解してて心配してたのかなあと。 よく考えれば子供がどこかわからないところに行ってしまうのは怖いですからね。実際の所洞窟も危ないのでしょうし。
光の中に闇はあり、闇の中にも光があります。過去と現在、生と死、現実と夢と幻想が重なる物語です。
やっぱりアスキューとキットが好きですね。アリーも可愛いですけど。 あとおじいちゃんが素敵。 やってることと文体(ちょっと翻訳翻訳してますが)がすごい好みなので、おすすめしたい作品です。
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