日記雑記
ソンナモノハ妄想ダ 表紙|以前|以後
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| 2005年08月28日(日) |
「家守綺譚」「神様」 |
梨木香歩の「家守綺譚」に続けて川上弘美の「神様」を読んでいます。 図らずも「なんか変なもんが混ざってる日常」系の小説続きになりました。
家守の方は、庭やら野山やらが美しいです。一人称の主人公は敢えて言うなら文章家の男。でもこれ女の人だよなあと思うような綺麗な文章。 サルスベリやら狸やら小鬼やら色々なものと関る日常が静かに書かれていて、読んでいる間何となくほっこりした気持ちでした。 昔ボートに乗っていて行方不明になった親友が、掛け軸の中の水辺から出て来るところ、というかそれが普通に起こってしまうところが好きです。 大して驚かず、いろんなものを受け入れている主人公がなんだかいいなーという感じ。こんな風に生きられたらな、とは思うもののやっぱり私にはちょっと無理かもしれません。
「神様」は今読みかけなんですけど、こちらも何だかあたたかいです。 「夏休み」の三匹目が可愛い…。 川上弘美の小説って、主人公が喋ってる感じがします。
“「どうしてそんなに掘るの」しばらくしてから一匹が言った。何も答えずに掘りつづけると、また同じことを聞く。黙っていると、何回でも聞く。最後に、あっち行け、と怒鳴った。”
この、あっち行け、のくだりで本当に怒鳴っているところを想像してしまってぎょっとしました。ヒステリックではないけど怒鳴ってるんだろうなあと。鉤括弧に入れるのとは違ってくると思います。
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