結局、モダンバレエはベジャールにはじまりベジャールに終りそうな自分です。初演のときによかったな! と思った『M』の再演に、17年ぶりに行ってきました(といっても、これまでに海外公演以外にも二回ほど再演はあったそうです。わたしは気づいていなかったけど)。
『M』はミシマのM。 または、海(mer)、母(mere)、死(mort)、そしてモーリス(Maurice。ベジャールのファーストネーム)のMでした。
覚えていたのは、 ・海にはじまる。 ・ランドセルをしょった少年(三島)がおばあさんにともなわれて舞台に上がってくる ・いち、に、さん、死! ・最後も海。
でありました。 それは間違ってはいなかったけど、今回は ・聖セバスティアン、愛しいひと! だったんだね。最初から最後まで。 ・こんなに『トリスタンとイゾルデ』多用してたのか! ということに感じいりました(ちょっとおおげさかも)。
プログラムにも[ミシマの最期の部分は、「イゾルデの愛の死]が使われている]ことは明記されていましたが、ピアノソロ(ここだけは生演奏、あとは録音)でフルレングスとはなー。 そして、聖セバスティアンの部分では、「愛−死」もたっぷりと使われていました。
考えてみれば、三島は高校生くらいのときにまとめて読んで、その後あんまりさわってないです。純粋に? 文学的興味もありましたが、当時はホモネタがあまりなくてねえ・・・若き腐女子(もちろん当時はそんな名称は存在せず)がドキドキしながら読むことができる数少ないテクストだったのです。『仮面の告白』、『禁色』、『午後の曳航』など。もちろん『豊饒の海』も深読みしまくりでした。
でも、「好きな作家」になったことはない気がします。今読むと違うかな?
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