チケットをいただいたので、ものすごく久しぶりに『白鳥の湖』全幕を見てきました。いや、久しぶりというより二回目・・・? はじめて見たバレエがボリショイの『白鳥』だったと思います。
さて、わたしにとってバレエ漫画は『アラベスク』と『SWAN』が双璧。『アラベスク』では主人公ノンナの親友アーシャが『白鳥の湖』でデビューが決まったけれど直前に妊娠がわかって、それでも舞台に立ったけれども黒鳥オディールのパートは当日に代役を立てることになってしまった・・・というエピソードがあり、『SWAN』の場合はコンクールで黒鳥のパドドゥが課題になり、主人公の真澄が斬新な解釈で点を稼ぎ・・・だったかと思います。
その後、最近出た今市子『萌えの死角』でマシュー・ボーン版やヌレエフ版が紹介されてて、 [そっかーラストは王子もオデットも死んで、しかし死によって成就した永遠の愛により悪魔ロットバルトは滅びる、というのがわりとあるんだ。単なる愛の勝利じゃないのね] と思ったりしました。
というわけで、もちろん物語の骨子はわかってるんだけどという状態で劇場にgo。 ちなみに[わたしが覚えていた]骨子は、 王子ジークフリートは夜の湖で白鳥が美しいおとめに姿を変えるのを目撃。おとめオデットは悪魔ロットバルトの呪いで昼は白鳥に姿を変えられ、夜にだけ真の姿を取り戻すのです。 その呪いを解くには(は覚えてないが、白鳥の姿の彼女に永遠の愛を誓うひとが現れること?)。 城では花嫁選びの宴が開かれる。うつくしい姫君たちが現れるが、王子はもちろんその気になれない。 しかし、あのオデットとそっくり(だけど黒い衣装に身を包んだ)姫が現れ、王子は魅了されてしまう。永遠の愛を誓ったそのとき、黒い衣装の姫は悪魔ロットバルトの娘オディールだったことがわかる。 王子はふたたび白鳥の湖に。悲嘆のオデットとの再会。ロットバルトとの対決。
とまあこんな感じですが、今回は、いかにいろんなことをさっぱり忘れていたか感心しながら見ました(じつはときどき意識を失ってしまいましたが)。 ・あの有名な「ちゃー、ちゃらりらちゃー、らちゃー、」みたいな節は冒頭のいわば序曲ではなかった。むしろ最初の力強い響きはロットバルトを象徴する音だった。 ・第一幕は宮廷でのいろいろだった。道化がけっこういい味出してた。わたしの記憶は第二幕からでした。 ・これは演出によるものでしょうが、第二幕のオデット、第二幕のオディール、どちらとも王子はしばらく一緒に舞台袖にひっこんでしまい、つぎに出てくるときにはすっかり仲良くなっている。 ・そしてこの版は悪魔よわっちーの。負けました。真実の愛勝ちました。かーなーらーずさいごにあいはかつー。
とまあこんな感じで、なんでロットバルトがオデットにそんな呪いをかけたのか覚えていないんだけどきっと求愛を拒まれたからだわそうに決まってるわ。と思い、クロロと陛下にすっかりあてはめる気満々になってみたり、いろんな意味で無理だなあと思い返したり。
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