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空想妄想いろいろ日記
青木カナ
MAIL

2006年04月08日(土)
最近気になる

「パトラッシュ、ぼくもう・・・・・・」
ばっかりではいけませぬ。だいたいにおいて仕事してたんですが、在宅だったのでそれなりに息抜きもしました。
 というわけで最近気になったことなど。

・昨日の日記でChさんも言及していた「ユダの福音書」発見ですが、うちでとってる新聞には『ナショナル・ジオグラフィック』で特集が組まれると書いてあったのでウェブサイトに行ってみました。ついでにほかのサイトもちらちら。

 イスカリオテのユダ(「カリオテ」=「都会」出身の、という意味だそうです。十二使徒にはほかにヤコブの子ユダ(通称タダイ)もいるし、なにしろユダというのはイスラエルの十二氏族のひとつの名称なのでこの名のひとは多いそうです)というと、それこそヨークシンで旅団も
「オレたちの中に裏切り者(ユダ)はいない」
という言い方をしてたくらいの罪深き者の代名詞で、イエスと行動をともにしていた直弟子なのに銀貨30枚を得るため主を売り渡したとされる人物です。

 文学的にはまずは太宰の「駈込み訴え」を思いだすなあ。イエスによせた心が報われない、と感じたユダのことばという体裁を取ってるの。
「申し上げます。申し上げます。旦那さま。あの人は、酷(ひど)い。酷い。はい。厭(いや)な奴です。悪い人です。ああ。我慢ならない。生かして置けねえ」
から、ラストの
「申しおくれました。私の名は、商人のユダ。へっへ。イスカリオテのユダ」
まで、まさに疾駆する行き詰まる告発です。かわいさ余って憎さ百倍ってとこでしょうか。タイトルで検索したら出てきたからまた読んじゃっただ。

 現在手にはいる『新約聖書』(新約というのは、新しい約束という意味です。神が民にくだされた約束)に収録されている、いわゆる正伝となってる福音書(イエス・キリストの言行録)はマタイ・マルコ・ルカ・ヨハネの四つです。成立年代などから正式なものとは認められず「外伝」とされた福音書がいくつもあります。今回問題になってる「ユダの福音書」はそうしたもののひとつ。イスカリオテのユダについての福音書だそうです。

 今回問題になっているのはエジプトで発見された1700年前のコプト語文書。ギリシャ語からの写本です。こういう文書は後世の偽物もたいへん多いそうですが、今はいろんな科学的検証も組み合わせるからな。『ナショナル・ジオグラフィック』のサイトから引用します。
「放射性炭素年代測定法、インクの成分分析、マルチスペクトル画像の解析、文章構造の分析、古文書学的な検証という五つの手法で鑑定を行った結果、この写本は後世の偽書ではなく、古代に記された本物の聖書外典であることが確認されました」 

 はっ。調べだすと面白くて自分メモしてるうちにどんどん長くなってしまった。欧米文化の理解にはキリスト教ギリシャ・ローマ神話(ついでに北欧神話)はじつに有益だなあ。絵を見るにも役立ちまする。

 で、真正の写本であることが証明された(とされる)今、問題となるのはその内容。うえにあげたユダの行為が、じつはイエスの命によるものだと書かれていることなのです。まったくの門外漢としてはそれこそChさんが書いてたように「割と納得の内容」です。だってイエスは神だもの、ユダの行為が意に反するものならば阻止することはできたんじゃないかなー。

あとは箇条書きで。

・大好きだった小川洋子の小説『ミーナの行進』(おおっ、今月末に出るぞ買おう)のあと土曜日連載のドナルド・キーン「私と20世紀のクロニクル」も楽しみに読んでます。ごく最初のころに書いてあったんだけど、1922年にニューヨークで生まれたキーンさんの少年時代、同年代の男の子と会うと聞かれるのは
「ポジションどこ?」
だったというのが印象的。もちろん野球です。ほかのスポーツなんか問題外だったのだね。キーンさんはすごい運動音痴で、答えに困ったそうです。

・見たい映画
『ブロークバック・マウンテン』。短編だけど原作を読んでから見たほうが最後の味わいが深くなるよ、というのが映画大好きyちゃん(週に二回は試写会)の話。
『レアル・ザ・ムービー』。一応スペイン映画の一種だから。
 映画は、究極的にはあとでdvdで見れるやとか思ってしまって見逃すこともあるので断言はできませぬ。

・展覧会
 プラド美術館展。上野ではナスカ展もやっているので両方かな。
 藤田嗣治展。
 三の丸でのじゃくちゅーさん。

・定期講読してるCasa Brutusが届きました。特集は「次に読む本、237冊」。さまざまなブックガイドはもちろん、大江健三郎の小説世界をいかして作られた中学校と建築家についての記事なども。最後のほうにリストが載っていたのですが、ここで挿入されていた各種図書館の写真に萌えました。本がたくさん並んでるだけでも嬉しいのですけど、もちろんクロクラなのだよ! モダンなものもいいと思うけど、非常にクラシックなブラジルの王立図書館(てけとーな訳)がいいな・・・・・・。どうせそのうちまた図書館など登場するので、心のノートにメモしておこう。

 とまあこんなふうに、最終的にはいつもの話題になりました。
 はっ、仕事にもどりまする。