木曜日は週で一番仕事が(気分的に)ハードな日。拘束時間はそんなに長くないんですけれど。
映画の師? yちゃんが試写会に誘ってくれたので行ってきました。その後夕食をとったので帰宅が深夜になりもうした。
yちゃんは時間ぎりぎりにならないと着けないということなのでわりと空き時間ができたわたし。十月初旬で終わってしまう国立近代美術館の『アジアのキュビスム』展を見てきました。とはいうものの疲れていたのでまずは二階にのぼってお茶・・・・・・と思ったらまだながーいランチタイムの終わりごろで、昼食は軽くだけどとっくに済ませたわたしは入れません。でもいい感じ。二階のベランダにはプラスチックの椅子なんかが並んでいたのでそこで十分くらい居眠りしたり、煩悩ノートにメモしたり。
で展覧会。キュビスムって理念的なことが先立ってるからなー、創始者のピカソとブラックなんか、一時期は自分たちでもどっちが描いたかわからん作品を創出していたというし、どんなふうだろう・・・・・・と思いつつ入りました。最初はキュビスムそのものの紹介で、ピカソとブラックの作品が一枚ずつ。色も灰色とか濁った茶系ばっかり使ってるんだよね。
で、アジアに行きます。といっても国別ではなくて(そういうセクションが最後にちょっとあるけど)、傾向による構成でした。最初のうちは「あー、見た見た」みたいな、作品そのものは初めて見るんだけど既視感バリバリみたいなので。つまりキュビスムの規範を逸脱していないんだなっていうか。
でもだんだん面白くなっていきました。ヨーロッパのキュビストでもスペインのファン・グリスは好き、だって色彩がいいから。というわけで熱帯らしき色彩が出てきたり、キュビスムはなんといってもキューブに対象を分割し再構成していくわけだけどその分割要素にアラベスク的・植物的まるみを帯びた要素が入り込むのがあったり。
また、都市的文化としてのキュビスムの受容のありかたとか、アジアのなかの唯一のカトリック国フィリピンの作品とか、全体としては楽しかったです。
ほんとうは常設展も見ようと思っていたけど疲れたのですぐに工芸館に。工芸館は初めてです。皇居の北の丸公園にあり、近代美術館本館からは徒歩六分と案内されていました。はあー、暑いよ。でも今行かないと・・・・・・とえっさほいさと歩いていくと、鬱蒼とした森のうえに頭を出したあの赤煉瓦の建物は・・・・・・東京駅? なわけないです。それが工芸館でした。華族の館を再利用しているそうです。
こっちでは『日本のアール・ヌーヴォー』展を見ました。三越のポスターとかよかったな。それから与謝野晶子の『みだれ髪』に合わせた未完の乱れ髪カルタというのがあったのを初めて見ました。ポスターに使われていたチューリップ文の花瓶も美麗でした。
そこから有楽町へ。おわああ疲れた、のでのんびりと時間をつぶし、六時二十分によみうりホールに行きました。今回はテレビ朝日主催・VISA提供? の試写会で、よく来るようなタイプのより時間ぎりぎりに来るひとが多いみたい。すでに一階は満席で二階も一見絶望的でしたが、なんとか並んで席をとることができました。ゆずってくださったかたありがとうです。
作品はアーヴィング原作の『ドア・オン・ザ・フロア』。主役の中年カップルを演じるのはキム・ベイシンガーとジェフ・ブリッジス。チラシもこのふたりの疲れた顔のアップ。そして娘役があのダコタちゃんの妹、そっくりでした。
面白かったです。夫婦のあいだには悲劇的に失われたふたりの息子の死が横たわっていて、新たなる希望として生んだ娘もふたりをふたたびつなぐ絆にはならず、とうとうこの夏、試験的に別居することになってしまう。そんなところにやってくるのは作家志望の高校生、かれは憂いを秘めた美しさのマリアン(キム)に憧れて・・・・・・。
題名になっている『床にあるドア』は作家の描いた絵本のタイトルでもあるんだけど、最後にきちんと収斂していって、静謐だけど希望の持てるラストでした。もちろん暗いだけじゃなくて、けっこう笑いもちりばめられてて。
yちゃんはアーヴィングの映画化作品を何本か見ているけど(『サイダーハウス・ルール』とか『ガープの世界』とかね)、この作品が一番よかったという感想でした。
それから、軽く夕食をとってお別れ。 yちゃんが買ったばかりの『コンスタンティン』DVDを持ってきてくれたので、わたしは電車に乗るまえに買ったよしながふみの新刊『大奥』1巻を貸しました。二回読んだし。これも面白かった、白泉社力はいってるな! の豪華な装丁。帯にあった「SF大河ロマン」ってのはどうよ。と思ったけどね。
原因不明の疫病で男子ばかりがやられて八十年。男は女の四分の一くらいで安定してしまった仮想徳川時代です。そんなわけで将軍も女性がなっており、大奥はこのご時世になんと三千人の美男を集めた、天下人にのみ許される場所だったのです・・・・・・そして改革者として後に名を残す(であろう)八大将軍徳川吉宗の御世になりました。というのです。白泉社サイトで十ページ試し読みすることができますので、よかったらどうぞです。
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