・・・ああ、あんたがそうなのか。
三カ月前になるな。風が吹き荒れる夜に来たよ。 最初はひとりかと思った。同じような黒づくめの服で、奴のマントにくるまれるようについてきてたのに気がつかなかった。気配もなかった。 ここには二晩いたな。三日目の朝、嵐が過ぎたあとの道を同じように出てったよ。 わかってるんだろう?もちろん、念は解けなかった。 念が発動した場にいた三人ともが揃えば除念の可能性はあると言ってやったよ。 そうしたらあの男は、「三人目もじきにここに来る。あんたに弟子入りしにね」と笑った。 そうか。それがあんたなんだな。 二晩目、オレがお手上げだと言うと、奴はあの子供の名前を呼んだ。 子供はガラス玉みてえな翠の目でぼんやり奴の顔をみた。 もう一度名前を呼ぶ。うながすような響きだった。 立ち位置から数歩あるいてここに−オレは同じようにここに座ってたんだ−子供は来て、さっさとひざまずいた。 そして服のうえから股間に頬ずりしたんだ。 驚いたね。
続きはさせなかった。 ああ、あれで命拾いしたな。 オレに差し出しておきながら、事が終わればオレを殺す気だったに違いない。 あれは本当に”ウサギ”なのか? オレの記憶と理解に間違いがなければ、あれは15年以上前に製造中止・廃棄された種だろう。
子供は気にするふうもなく、ただオレが席を立ったあとも体勢を変えなかった。 オレの答えを確かめてから、奴が後ろから抱き上げて、そっちの部屋に連れて行ったよ。
ふたりが使った部屋にはその後も何日かは匂いが残った。 男のひとり暮らしにゃ、こたえる匂いだったね。
・・・・・・
こんばんは、突然へんなものを書いてしまいました。 けっこう、キています。 もう少しで、この日記上でどえりゃー濡れ場を書いてしまうところでした。ちょっと書きましたがカットして、ローカルの文書ファイルに貼り付けました。ぜえぜえ。
これもエイゼンシュテインとバラガン、二人のメキシコ人巨匠のおかげでしょうか? でもまだ、ピカさまを男にするか女にするか踏ん切りがつきません。困るね。というわけで、よく考えたらもう一カ月くらいひきずっている、「クラピカさま遺伝子奴隷のクルタ最後のひとり」話からFirst fragment.「奴」とはもちろんあのクロイ男です。 ピカさまにさんざんエロいことやひどいことをしておきながら、その実溺れ切っている姿を書きたいのでございます(力説するようなことではないと思うが)!
・・・・・ Amazon.comから小包。いろいろ届きました。 『とらわれの身の上』に続いて、某掲示板でクロクラ〜とあった『わたしの狼さん』二冊。たしかに!むかし退屈、今は愛に生きる魔王はあのクロイ人みたい!・・・ヒロインはちょっと、かわいらしすぎる気がしますが〜。
ハヤカワSFの『90年代SF傑作選』上下。イアン・マクドナルド作の「フローティング・ドッグス」だけまず読む。これがまた感涙!というわけで、同時に届いた念願のマクドナルド『火星幻想曲』に期待高まる。 小説はあと二冊。ガルシーア=マルケス『予告された殺人の記録』、高橋源一郎『あ・だ・る・と』。 他に『バルサとレアル−スペイン・サッカー物語』、『テクスチュアル・ハラスメント』、『思考する物語−SFの原理・歴史・主題』。
CDで『ザ・クラッシュ』、『2001 Latin Grammy Nominees』。 DVD『ローサのぬくもり』、『蝶の舌』。
そして〜、やっぱりなんか勉強すっか!と、高橋源一郎と官能小説研究会(!)『この官能小説がスゲエ!−ベスト・セレクション』を買いました。これで参考書?を吟味しようかと。 決めたらやっぱりAmazonとかbk-oneで注文かしら。
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