FILL-MIND [フィルマインド]心情記 

   
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2003年06月13日(金)  ■恋路■

あまりいい趣味ではないかもしれない。でも、人の恋路ほど目を見張る展開はなくて、ついその行方を追い掛けてしまった。

近づいてはくっつき、脇見をしては離れ、また引き寄せ合い。男と女のあらましはいつの時代も大差なく繰り返されている。その時、傍観者な私は疑問詞や感嘆詞を織り混ぜながら、呆けてばかりになる。
むしろ、醜態に悔やんだり、衝突に迷ったりする人の姿に入れ込んでいる。そこには人としてあるべき情の宝庫に見える。

不思議と、流暢に解決策が想い浮かぶのは、きっと人のそれだからわかるのだろう。他人事のそれらに当事者だった頃の迷える自分を思い出し、心は火照る。

誰しもに、恋の悩みに悔やまないでいて欲しくて、悔やみたくないと念じている。
人を思って湧き起こる感情のひとつひとつは、それがたとえ嫉妬や自己満足やわがままだけだったとしても、決して悪ではないと思うのだ。一人の人間を想えた情熱こそ尊く、身勝手だとしても、恋に心が肥えたことを喜べるならば、決して影などそこには落ちてはいない。

傷つかない恋などなく、傷つけない恋もまたない。
人とふれあう時、穏やかさだけしか存在しない関わりなどあり得ないし。争いは好ましくないけれど、攻めぎあいの応酬に成長や進化が著しいのは人間の性でもあるのだから。

傷つけあうことも、怒ったり、感情があらわになったりすることも悔やむに値しない。そこにある出会いの幸運を喜こべる心を私はいつも信じていたい。

破れたり、ぶつかったりする愛情の不器用さに、何故か私は感傷的な祈りをこめたくなる。人を想う享受は、許容の深さを知るという答えが心に刺さる。

自分を許し人を許して、受け入れていくために、愛情という感情の盾を駆使して人は生き延びる道を見つけていくのかもしれない。

あなたたちも、そして私もまだ、生き延びている。愛情は枯れてはいない。きっと、人は許し合えるだろう。


 
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