Fly Me To The Moon

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ポーランドの男  2003年08月22日(金)


ヘルメットを取りながら 
Hi!
と微笑むその人は
ブルーグリーンの綺麗な目をしていた・・・


そのバイク、父のものと同じ、と言うと
君のお父さんから借りている・・・と笑う男。


なるほど・・・、父の魂胆が読める。
父はバイク仲間がほしくなると、
その人を仲間に引きずり込む手段として
バイクをまだ持たない人にはまず、自分のバイクを1台貸して
それから一緒にツーリングにでて遊ぶという傾向がある。


この彼もまた、そのターゲットにはいってしまったらしい。
ランチをとっていないから食事しようと言う。
もう3時なのに・・・


クラッシュされたアイスが入ったグラスに
ウェイターがグレープフルーツジュースをそそぐ。

わたしは、一方的に話しをつづける彼の目の色ばかり見ていた。

彼の両親は湾岸戦争の兵士で
その戦争で二人とも亡くなったと、そんな話を
父がしてくれたことを思い出しながら・・・


父がいうには、でもあの男はとんでもない悪いヤツだ、そうだ。


想像はつくけどね。
英語がわからない母に代わって、わたしが父宛ての伝言を聞いた。
父に娘がいると分かって、その娘のわたしを食事に誘う男は
たぶんいい人じゃないだろう。


おまけに、
君のお父さんには内緒にしたいから、自分と会うことは言うなという。



「ところで、君のお父さんには言わない約束だったよね?」



コバルトブルーの海のような、そんな彼の目の色ばかり見ていて
うわの空だったわたし・・・そんなわたしに質問を繰り返す彼。



「うん。父には言わなかったけど・・・




共犯者だね、と合図するようにウィンクする彼。




 でも・・・・・ママに言ってきたわ。」




「・・・・・・。」



「だって、あなたは父には言うなっていったけど

 ママには言うなって、言わなかったでしょ?」


It's not my fault・・・。
わたしは彼との約束を守ったのだ。
だから、母が父にどう言おうが、それはわたしのせいじゃない。




「・・・・。」




レストランの外にでて、アメリカンスタイルのバイクに跨る彼。
ブラックのTシャツに白い肌が映える。


「それじゃ。」


とわたしが言っても、彼は目をそらさない。



「ねぇ、いちこ、このあと時間ある?」 





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