|
2002年12月09日(月)
雨は 1時過ぎに 雪へと変わった。 私は、窓から身を乗り出してその変化を刻々と楽しんでいた。 「雪になったわよ」 姉が、頭の雪を払いながら部屋に入ってきた。窓を開けていた私に、 「寒いよ、閉めてよねっ」と、姉貴が顔をしかめた。 チェッと小さく舌打ちをして、私は立ち上がり片手で結露で塗れた窓を閉めた。すっかり冷たくなった体を布団の中で丸くして、 「明日、積もるかな・・・」と、誰に尋ねるともなく、ぽつりと呟いた。
翌朝、私は外いつもと違う明るさで目が覚めた、まぶしぃ。 台所には母と姉の声が聞こえる。父はまだ起きていないようだ。 枕もとの時計を見ると、七時前だった。今日は、大学が午後からで10時まで眠っていられる。けれど昨夜の雪が降っていたことを思い出すといてもたっても居られずサッと布団を上げて居間へ向かった。
「おはよう・・。」 台所に入ると味噌汁のいい匂いがした。 「随分と早いわね、こりゃ雪も降る訳よねぇ〜」 キチンと化粧をしてコチラをみる姉、今日の姉貴は少し眉が細すぎる。 「無駄口叩いてないで早く行きなさい」と母が姉のお尻を叩く。 はぁーい、と調子よく姉は答え玄関へ向かった。 私は、テーブルにつきタバコを吸う母を目の前に味噌汁をすする。 ドドッと、隣の部屋から父が外出用の格好で現れた。 「それじゃ火、よろしくね」と父の登場に母も玄関へ消えた。
一人の朝食を片付け終わると、時計は7時15分を指していた。 昨夜、雪を眺めた窓を開けると、寒さに体をプルッと震わせた。町は雪に覆われ、通勤する人々はヒョコヒョコと歩きずらそうだった。 「出たい!」と思うが先か、後か私は、上着をひっかけて手袋もせずに駆け出た。
近所の公園には、何人かの人が散歩にきていた。みな、暖かそうな格好で自分は妙に薄着でまるで浮いている。それでも初雪を踏みしめようとヤッキになっていた私はで他人の視線などいっこうに構わなかった。そして公園の林の中で少し開けたところにまだ、誰にも踏まれていない所を見つけた。少し緊張しながら自分の足をゆっくりと下ろす―ざくっと小気味良い音がした。うひ〜、と声にならない声をあげて私はそのヴァージンスノーを汚すことに数分夢中になった。途中、何人かの友達に雪が降ったと、他愛もないメールをやりとりしながらその行為は20分ほど続けられた。
八時半に家へ戻ると、母を送った父が帰っていた。 ただいま、というと。随分早いね、と声が帰ってきた。 私は熱いコーヒーを飲んだ。
|
|
|