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2004年06月21日(月) 物狂ほしき嵐

徒然なるままに日くらし硯にむかひて 心に移りゆくよしなし事を
そこはかとなく書きつくれば あやしうこそものぐるほしけれ(徒然草序段より)

まだ朝の時点では雨も降ってなくて、普通に大学図書館に向かいました。
この頃遅刻だけはするまい、と思って早めに余裕を持っていくようにしてますが、
今日は10分くらい早めに着いてしまい、まぁそれはそれで別にいいか、と、
掛長から貸出カウンターの仕事を引き継ごうとした時、「ごめんねー、
プレッシャーで早く来ちゃった?」と言われてしまいました。
「あー、いえいえそういう訳じゃないんですけど」と言いつつ、内心で微妙に苦笑い。
実際、今日はカウンターなんだ、ってことはあまり念頭になかったような気がするし。
木曜の時点で11時に終わるのが少し残念な気がしたくらいで、むしろカウンター仕事は楽しい。
でも、「そういう訳じゃないんですけど」ならどういう訳なのか、というのは……。

いつだったか時間は見てないからわからないけど、座ってたらどうも見覚えのある人が、
受付カウンターの中を通ってこっちに来る?と思ったらそれは見間違いじゃなく。
うちの本屋の本店の社員のO野さんでした。うわぉ。何度か図書原簿(別名管理通知書)に触れて、
うちの本屋の本店の方が本の納入をかなり長い間行ってることは知ってたけど。
O野さんは何か段ボール箱を抱えてたけど、書類なのか本なのか、何が入ってたんだろ。
本店の人でも、面識のない人はちらほらいるけど、O野さんはうちの店の方にも
ちょくちょく来るし、忘年会にも出席してたんで(予想より年がかなり下でビックリだった)、
私の名前はもしかして知らなくても、顔くらいは知ってるよなー、と思ってたら、
目があったらやっぱりちょっと驚いた顔をしてた。「今日はこちらで?」と訊かれ、
本当は非常勤だけど「バイトなんですー」、という説明をしてみた。
O野さんの仕事っていわゆる外商ってやつかな。そういう部署があることは聞いたことがある。
3月に教科書販売に行った帰りに本店の2階の事務室らしき場所に一度入ったし。
あんまり詳しいシステムは(本屋の方では)聞く機会がないんで知らないけど、
司書講習の時にちらりと聞いたような、聞かなかったような。

貸出カウンターにいると、入口がガラス張りなんで外がよく見える。
風がすごいなー、と思ってたら、雨まですごいことになり始めた。
うわー、と思いつつ、図書館の本は無事だろうか、と返却者の心配をしてみる。
こういう雨の日はひどい状態で返ってくることもあるからなー。

今日は予約を2件受け付けた。やってみれば案外どうということはない作業だった。
大体の作業は自分でやってる、ということを認識するとなかなか嬉しい。

ショックなことが起きたのは11時を回った頃。利用者からも問い合わせがあったりしたけど、
暴風警報発令のために、遂に図書館が臨時休館、という事態になった。えぇ!?
「職員はどうなるんですか?」と訊くと、やっぱり帰ることになるらしい。
その話を聞いた時は事務室でテプラの2段組み表示と格闘中だったのだけど、
やり方が結局わからないまま帰宅することに。どうにかなりそうだったけど、
もう一歩(?)のところで出来ませんでしたよ〜、N村さん(方法を訊かれてた)。
それよりも何よりも、まだ2時間ちょいしか仕事してないのに、帰らなきゃならない、
というのが自分としてはショックだー。まだこれからいろいろやりたかったし。
ふと、少し前に読んだ「図書館の水脈」という小説を思い出した(感想はアップ済み)。
私もあんな風に図書館に泊まりこみ……あーでも一人で籠もっても寂しいだけか、私の場合。
特に大学の図書館なんて真っ暗になったら怖くて心細いだろうな。
他の職員さんたちも一緒にいるなら、楽しそうな気はしたけれど。

そして、暴風警報のために11時をもって図書館は臨時休館、と繰り返し掛長がアナウンス。
「まだこっちに来て3ヶ月なのに、大雨に台風にってハプニング続きで」、
ってちょっとぼやかれてました。大雨……なんてあったっけ?記憶にないながらも、
「大変ですねー」と同情しながら言って慰めを。
それから庶務の方に行って、臨時休暇の書類を書いてくるように掛長に言われ、5階に。
身分が非常勤という扱いになったとしても、やっぱりこれって5時間分は無給?
気になることではあったけれど、なんか露骨にそんなこと訊けない〜。
こうして11時半頃、いろんな意味で後ろ髪を引かれつつ、図書館を後にした。

久々に名城線回りで帰ってみた。地元の駅に着いて、改札を出たらすごい風。
傘の骨が。ぼきっと。これって修復可能なんだろうか。よくわからないまま、
母の車に乗り、家の前で停めてもらった時に傘はそのまま車に置いてきた。

帰ってみると、もう家中の雨戸が閉まってた。1階は毎日全部の開け閉めをするけど、
2階は台風の時くらいしか閉めない。雨戸を閉めてしまうと、外の様子が全然わからずに、
ただすごい風の音が響き、家が揺れるんで、家が壊れて吹っ飛ぶんじゃないか、
という恐怖に駆られてしまう。今日は5時間弱しか寝てなかったし、さほど空腹でもなかったんで、
妹が部屋でパソコンをいじってたから電気は消せなかったけど、そのままベッドで横になって寝た。
仕事だ、と思えば気力で何とかできるけど、家に帰ってきたり授業だったりすると大抵眠い。
でも、どうも心細くなると、思考がネガティブに傾斜してしまい……。

14時半過ぎに起きてから、食事をしに下りてって、ワイドショーを見てた母に、
家が吹っ飛びそうな不安を話したら、「そんなコブタみたいな」と一笑に付された。
アレですね。三匹のうち二匹が狼に家を壊された「三匹のコブタ」。
まぁ頭で考えるとそうなのかもしれないけど、でも、やっぱり心では怖いんだーっ!!
こういう時、どうすれば冷静に落ち着けるんでしょうか。何かいい案があれば切実に求ム。
遊園地のお化け屋敷も地震も雷も火事(はそこそこ?)も親父も怖くないけど、台風は怖い私。
こういう時、慰めて安心させてくれる人がいたらなー(なんてね)。

清少納言は「風は 嵐」と言って「八、九月ばかりに雨に混じりて吹きたる風、いとあはれなり」
「暁に格子・妻戸をおしあけたれば、嵐のさと顔にしみたるこそ、いみじくをかしけれ」
「九月晦日、十月の頃、そらうち曇りて風のいとさわがしく吹きて、黄なる葉ども、
ほろほろほろとこぼれ落つる、いとあはれなり」と言ってるけど……。
むしろ、私には「さびし・すごし・こころぼそし……そしてものぐるほし」だと思う。

17時半過ぎに「そういえば明日着る半袖のブラウスって何かあったっけ?」ということになり、
母と2人で買い物に。長袖のならあるけど、もうあんなの暑くて着られない。
サラリーマンだと基本的にスーツだろうから大変だなぁ、と思う。
まぁこの時期になれば場合によっては半袖に切り替えたり、袖をまくったりとかするんだろうけど。
暑苦しい格好見てるとこっちも暑いんで、夏モードに衣替えしてる人っていいなと思う。
中学の頃は学ランよりは夏服の方が見てて良かったなー、という個人的趣味は置いといて。

最初は地元のアピタに行ったけど改まった感じのが全然なくて、隣の市のヨーカドーに。
引っ越す前もちょくちょく行ってたし、引っ越した今でも年に何回かは行くお店。
久しぶりに行ったらいろいろ変わってるなー、と思ったけど。
ここでまぁまぁ良さそうなのを見つけて購入。それから地下一階で食料品。
李を安く売ってるのを見かけて買った。「桃はないの〜?」と母に訊くと、
「もう出とることは出とるけど、まだ高い」とのこと。そういや旬はまだ先か。

夏の時期に出回る果物で一番好きなのは私の場合、桃。桃といえば、とふと思い出した。
4月12日の誕生花を桃の花としてるのもあったっけ、と。花言葉は恋の虜。
ある意味自分に当てはまってるな、と思う。誰かを好きだ、と思い始めると、
それだけで頭がいっぱいになるから。まだそれが両思いだったならいいかもしれないけど、
(相手の重荷になるかもしれない、ということはあるけどそれは置いといて)
未だそういうことはなく、時々ぶつける先のない感情に押しつぶされそうになるだけ。
だから恋愛に憧れつつも、一方では一歩下がった所にいたいとも思う。二律背反。
まぁ恋は思案の外とも言うし、いつどうなるかわからないのが恋なんだろうけど、
でも今でも素直に期待はできないなぁと思う。

出かける時に雨は既にやんでたけど、ヨーカドーを出た19時半は、綺麗な夕焼けに、細い細い月。
空で見ていて一番心を打たれるのは夕陽かな。次点で秋から冬にかけての青い青い空。
帰ってきてから、雨戸を開けて窓も開けた。蒸し暑くはあるけど、幾分か涼しい。

「農家のヨメになりたい」の最終回。まぁ大体こんな感じかな、と思った通り。
希望とやよいの「フラレ者同士」のカップルはうーん、という感じだったのと、
最後のシロツメクサの指輪は、予想してなくてうわーっ!って感じでしたが
(弟に「姉ちゃん反応がうるさい」と言われた……はしゃぎ過ぎたらしい)。
何だかんだ言ってラブシーン(と言っていいのかわからないようなのも含む)は照れます。
またそのうち原作を見つけたら欲しいな〜。買っちゃおうかな〜。


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