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2003年12月12日(金) 1,麻痺してく感覚 2.国際派の源氏

2限もちゃんと間に合いました。これで一週間連続で無遅刻無欠席、わぁい♪
……なんて言ってる辺り、既にかなりの堕落ですね。本来なら、ちゃんと全部の授業に
間に合うように来てるのが当たり前のはずなんですから。いつの間に、
そんなに感覚が鈍ってしまったのやら。朱に交われば、ってヤツですか?
……というのはやっぱり責任転嫁ですね。とりあえず、この調子で来週も頑張りたいです。

今日の大和物語は後半の方が83段で、それに出てきた和歌。
「思ふ人雨と降りくるものならば我が漏るとこはかへさざらまし」
――恋しい人が雨として降ってくるならば、雨漏りがする床を裏返さないで、あの人を帰さずにおこう。
……ってな意味の歌。なんか発想がすごいですね。恋人が雨として降ってくる、なんて。
リアルに人が降る様子を想像しようとして、ギブアップしました(笑)
床に絡んで、先々週に私が発表した常夏、床と塵、という話題もまた出ました。
レポート、その辺について何か調べて見たら面白いかな。でも、国歌大観とかで引こうにも、
音では「塵」も「散り」も「ちり」だから、分別するのか面倒ではありますね。
この授業も来月23日が締切と相成りました。早めに取り掛かりたいなぁ、と思うのはいつものこと。
実際に切羽詰まって慌てるのも……いつものこと。

3限は、行くことは行きましたが、また眼鏡と机がお見合いしてました……。
そういえばそろそろまた眼鏡もフレームを見てもらいに行った方がいいんかしら。
上下とも縁なしにしてる所為で、どうしても曲がり易いんですよね。

4限の源氏は今日は国際派(?)でした。
まずは英語。最初に源氏を英訳したのはアーサー・ウェーリー(ウェーレーとも)。
1925年のことで、格調高いイギリス英語で訳されているそうです。
次にエドワード・サイデンステッカー。わかり易い訳を心がけたのはいいのですが、
和歌に格調がない、という点では一部の専門家には不評であるのだそうです。
最近、ロイヤル・タイラーという人が3つめ?の訳を出したそうです。
そのタイラーさんは先週大阪で開催された源氏のシンポジウムか何かに来ていたとか。
先生もそれに出席されたようです。やっぱり大学教授ともなるとあちこちにお知り合いがいるんですねぇ。
ちなみに、この授業の受講生の1人(おそらくおじいさんと呼んで差し支えないかと思います)が、
サイデンステッカーの訳はネットでダウンロードできる、と言われたんですが、
なかなか検索に引っかからなくて、試行錯誤の末、その方が挙げていたサイトと
同じなのかどうかはわかりませんが、1つ、英訳サイトを発見しました。
本文の内容はさておき、巻の名前がいろいろ面白いですね。
「若紫」がLavender、「夕顔」が「Evening Faces」、「若菜」が「New Herbs」、
野分が「The Typhoon」……って感じですが、こうして見てみると、
やっぱり日本語特有の風情、のようなものがないですね。
ちなみに、試行錯誤の過程で、いろんな人の帖名の訳の一覧を見つけました。
私としては、原題と英訳の併記が望ましいと思います。和語の独特の響きを味わうためにも。

それから、中国語では4種類の訳が出ているそうです。最初の訳は台湾の人が訳したらしいですが、
4つのうち、(説明がなかったのでわかりませんが)、どれかは既出の訳を
ほとんどパクって出版されたそうです。まだ著作権の概念が浸透していないんでしょうか。

また、なんとチェコ語でも源氏は出版されているそうです。カレル・フィアラという人が訳者で、
和歌を57577で訳すように心がけたらしいです、チェコ語がどんなのかはわかりませんが、
ロシア語に近いのかな、という気がします。平家物語のチェコ語訳も盛んなのだそうです。
ちなみにこのフィアラさんは男性なのですが、先生はてっきり女性と勘違いして、
何かの会で会われる前に期待してたらしいです(笑)確かに可愛らしい名前ですよね。
詳しくは聞いてないのですが、先生は来年の後期にチェコのカレル大学に行く予定、
と言われてました。どれくらいの期間なのかが気になります。卒論も間近、って時期に。

翻訳の話の最後に、ブルガリアで「とはずがたり」がベストセラーになってる、
ということを聞きました。日本でも、よほどの古典好きじゃないと知らないだろう、
という作品が、そんなところで売れてる、っていうのは不思議な感じですね。
ブルガリアでは枕草子も出ている、と言われてました。

先生は締め括りで、「いつか外国人教師に古写本の読み方を習う日が来るかもしれないね」、
と言われました。いろんな国の人に日本の古典のことを知ってもらえるのは勿論嬉しいですが、
でも、本家本元の日本で、だんだんと古典が廃れていったらいやだな、と思いました。

実は今日、うっかりテキストを置いてきたことを、2限の途中でふと気づきました。
しまつた。どうしようかな、と思いつつ、図書館で借りるのも面倒、と思い、
リテラボのを1冊拝借してきました。専攻生の特権?とりあえず、誰かが使うかもしれない、
と思った大系と新大系と新全集は避けて、新潮の日本古典集成を選びました。
ちゃんと新字体だし、註もしっかりついてるし、と思って。
他に、朝日新聞(だっけ?)の全書(正式名称忘れました)もあったんですが、
これは字体が古いし、ちょっと読みづらかったんで今回はパス。
とりあえず、ハードカバーなんでページを開きっぱなしにするのに困らない、
という利点はありました。文庫はページの両側を何かで押さえとかないといけないので。
でも、次回はちゃんと忘れずに持ってくように気をつけまーす。

4限後、委員会室に寄って、冊子の説明を聞いてから、今日は割と早めに大学を出ました。
でも、寄り道はちゃっかり(?)しちゃいました。まずは、本を探しに三洋堂。
2ヶ月ばかり前に行ったんですが、既に道がうろ覚え……(-_-;)
まぁ迷った、というわけでもなく、普通に辿りつくことはできましたが。
前に来た時と、どうも本の位置がいろいろ変わったようでした。
探した本は見つからず、そこを出て、あとはブックオフ。演習が一息つくと、
やっぱり本が読みたくなりますね♪ここに行く途中、モスバーガーで、
店舗限定で販売してるバカ高い商品を発見。500円とか、600円とか、そんな値段。
どんな味なのかは気になりつつ、でも、池下でご飯を食べるようなタイミングはなかなかない……。


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