じゅんこさんは、札幌市内の二つのスタジオで働いていて、【パワースレイブスタジオ】 と 【クルースタジオ】 を手伝っているのね。
【パワースレイブスタジオ】 は、地下鉄駅前で料金も安いので、利用するのは若い年齢層が多いのよ。
そのせいかどうかわからないけど、ユニークな、理解不能な行動や言動をする子がたくさんいる。
tetsu とか、 おぱんつ とか、 鈴木 とか、女子高生あすか とか、ここでもお馴染みのメンバーが勢ぞろいしてるのだ。
先日の朝、じゅんこさんがスタジオに出勤すると、ビルの前のガードレールに変な男の子が座ってた。
早朝のせいもあり私の脳はまだ起床しておらず、その男の子が誰なのかわからず、ジーっと見てしまった。
その子も私をジーっと見ていた。
「なんだこれ?・・・・・・誰だっけ? なんか・・・知ってる人のような気がする・・・」
と、その子を見ながら虚ろな頭で考えて、やっとわかった。
私 「なっ・・! 鈴木じゃん!? 待ってたの?」
鈴木 『じゅんこしゃん 遅〜い。 電話しても出ないんだもん・・・。』
と涙目で訴えてきた。
私 「あら、気づかなかったわ・・・・って、電話、家に忘れてきたーーっ!」
鈴木 『なんだぁ〜、じゃあ、しょうがないや。 あのね、ヒマだったからここの自転車、 全部右寄せにしといたの。』
鈴木が待っていた場所はスタジオのあるビルの前で、地下鉄の入り口でもあるので自転車がいっぱいグチャグチャに置いてあるのだ。
奴はそれを整頓してたらしい。 しかも、ビル管理のオッちゃんと朝の挨拶もしながら。
お前はどこのボランティア団体だよっ!!
鈴木はスタジオの隣の 【なか卯】 で深夜から朝8時頃まで働いてるのさ。
で、バイト明けの朝はスタジオの前で誰かの出勤をいつも待っているのだ。
まるでお母さんの帰りを待つ鍵っ子のようで笑える。 (そんな可愛いもんじゃないけど)
最近の鈴木の風貌は、とても18歳には見えず、まるでヤク中のおっちゃんのようで恐ろしい。
昼間、自分の自転車に乗ってるだけでパトカーに止められ盗難車と間違われる鈴木。
短髪の髪の頭頂部をクロス模様(十字架)にブリーチしたのに、「たんぼの田」 にしか見えない変な頭の鈴木。
ドラム練習を終えた直後の汗だくでパンツ一丁な姿が、アル中患者のような鈴木。
いつも自販機の下を覗いて10円玉が落ちてると大喜びしてる鈴木。
コンサート仕事をさせた時、アーティストが使って折れたドラムスティックを大事そうに持って帰った不憫な鈴木。
奴の存在は、私たちにとって、かぎりなくパシリなのだ。
タバコ買ってきて。 カレーうどん買ってきて。 チョコ食いたい。 etc
私が言う数々の指令にマメに従う良い子な鈴木。
お願いだから、せめてもう少し、一般的な18歳らしくしてくれ。
私と鈴木が歩いてると、まるで、チンピラとそれを囲ってる情婦みたいで、とってもいやだわ。
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