札幌の繁華街を一人でさまよっていた。
いつもは通り過ぎる場所にベンチをみつけ、ミネラルウォーターを片手に、あたりが暗くなりかける夕方、ずっとその場所にいた。
その 「光景」 と 「ニオイ」 を、体で感じていた。
ゆうべ、夜中にもここに来た。 じっとしてられない想いが一緒だった。 私たちは、言葉をなくし、ただ、立ちすくんでいた。
すべてを見たいと思った。 この目に焼き付けなければいけないと思った。
そして、また、ここに、私はいる。
緩やかな風と、聴こえてくるメロディ。
瞳を閉じ、意識をシンクロさせてみる。
1時間程いたのだろうか?
ふと、用事を思い出し、近くにあるいつものスタジオに立ち寄った。
そこでは元気な良い子達がライブにむけて練習していた。 彼らの笑顔で少し癒された。
用事を済ませスタジオを出て、行く当てもなく歩き回る。
なにも考えず、ただ、「海と空の写真が見たい」 と歩きつづけた。
自然に足が向き、たどりついた場所は、私の大好きなイメージの写真が掲載されてる雑誌を多く揃えているコーヒー屋さんだった。
お店に入り、お気に入りの雑誌をみつけ、フランス式のコーヒーを飲みながら写真の景色に意識をつないだ。
店内はアジアの音楽がかかり、その不思議なサウンドに体が馴染むのを感じる。
【 音に癒されている 】
心地良い感覚にしばらく浸っていた。
3冊目の雑誌を読み終わった頃、イタリア式の濃いコーヒーをたのんだ。
時間の流れがわからなくなるほど、ゆったりと、でも、人のざわめく声が、私を現実に引き戻してゆく。
あの光景を私は忘れない。
消滅してしまったけど、失ったわけじゃない
『私たち』 の記憶の中に、すべてがある 言葉にならない音色は、この地を潤し、渇きを癒す
どうぞ いまは 傷つけないで
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