ハラグロ日誌
書人*ちる

   

  




向田邦子の恋文
2004年01月04日(日)
今年の年末年始はバタバタしていて、ゆっくりテレビのお正月特番を見る時間がなかったのだけど(くー。「独眼竜政宗」の総集編の第1部を見逃した!)、山口智子主演の「向田邦子の恋文」だけは見たい!と思ってビデオ録画しました。
昭和という時代が既に歴史になってしまっている事にも改めて驚きつつ、その昭和の家族、そして生活ぶりに、何かほんのりと懐かしさ漂う空気感がありました。俳優さんが着ている洋服(手編みっぽいちゃんちゃんことか。肩パットの入ったカーディガンとか。)で、昔母がこういうのを作ってくれたのに「手編みなんて、野暮ったい」と思って密かに疎んじていた事とか、そんな記憶が蘇りました。
向田邦子と、その恋人だった中原氏との静かな何気ないやり取り、邦子さんの原稿用紙に書き殴られたような手紙、そして中原さんの日記が、涙が出るような感じがして、心がぎゅっとなりました。中原氏の日記はその日に購入したもの、そして夕食に邦子さんと食べたもの、そして邦子さんが帰っていった時間だけがごく素っ気無く記されているだけなのに、不思議な余韻が残るのです。カメラマンだったという中原氏、彼のファインダーを通した人生の映像はすべて邦子さんを主役にまわっていたのかもしれない、そんな気がしてなりません。
もっともっとこの2人の物語を見ていたかった・・・でも、中原氏は自らの手で「おいとまします」と人生のドアを開けて邦子さんから去っていきました。

ドラマを見て、実妹の向田和子さんの書いた原作本が読みたくてたまらなくなりました。









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