ハラグロ日誌
書人*ちる

   

  




神様のバチ
2002年04月17日(水)
ここ2日ばかり、姿を見せないねこえ・・・。クロもぱったり来なくなってしまったし、昼間散歩のフリをして近所をうろうろしてみても、どこにいるか皆目見当がつかない。
こねこえ達はどうしているんだろうか、ねこえは無事なのか・・・気になって気になって、何をしていても、欲しかったものを買っても、気が晴れなかった。家にいると5分おきに和室をのぞいてしまうし、それが辛くて出かけていると、もしかすると今和室の外で、ちょこんと座って帰りを待っているかもしれない・・・そう思うと、家に帰りたくなってしまった。。
もちろん家に帰っても、和室の外につづく庭は、しん、としていて淋しい。
私はねこえが大好きだけど、ねこえは別に私の事が好きなわけじゃない。ねこえは、賢いねこだから、きっと来ないのは訳があるはず。。淋しくて辛いけれど、それは自分勝手な感情に過ぎないだ・・・。きっと、「ねこえは私のねこ」なんて思い上がったりして神様のバチが当たったに違いない。だから、私はガマンしよう。ねこえはきっと無事でいる。どこかで、こねこえを育てている・・・。
あきらめもついて、ある程度自分の中で感情が落ち着いたのが20時前。・・・あ、今日お弁当の材料を買いに行ってないなあ〜。。って慌てて家を飛び出した。20時にスーパーが閉ってしまうから、真っ暗な路地の近道を走った・・・その時。
100メートル以上はゆうに離れた人家の駐車場の塀の上に白いものが見えた。何故だかわからないけど「ねこえだ」と分かった。
「ねこえ!」呼びかけると、こっちを向いたように見える。回り道をして、そのお宅の裏の路地をのぞいてみた。塀から逃げて、車の下に入り込んで様子を伺うねこえ。真っ暗でよく見えない上に、人の家の敷地内。。でも、ちゃんと言わなくちゃと思って、思いきってコンクリートに這いつくばって車の下に頭を突っ込んだ。
「ねこえは、ねこえの好きにしていいから、また、うちにごはんを食べに来て。たまに元気なカオをみせて」
大きな声で言った。ねこえは、かすれた声で「にゃ」と返事をした。
元気でいてくれただけで充分だと思った。私はちょっと、ねこえが急にお母さんになったりして、焦り過ぎていたのかもしれない。考えていた手術の事、こねこえの事、少し様子を見てからにしよう・・・そう思えた。
買い物に行って、家に戻ると、ねこえはちょこん、と和室の外でこっちを見ていた。申し訳程度にかにかまぼことチャーシューを食べると、ひとしきり私にマーキング(すりすり)してからどこかへ姿を消した。









設計*しゑ(繊細恋愛詩)
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