| 2003年06月25日(水) |
岸辺のアルバムより。 |
山田太一です。
「...ただ、随分違う音を聞いているのだろうと思うんです。作曲家や 演奏家が聞いている音とは随分違う音を、ぼくたちは聞いているのだろう、 と思う。ある国の散文が他国で詩に変化するといったのはボーヴォワール ですけど、日本人には何気ない日常的な仕草や言葉が外国人にとっては、 エキゾチックであったり、詩として受け取られることがあるように、 音楽だって、それをつくった人達とは、随分ちがった受けとり方を、 ぼくたちはしているのだろうな、と思う。...」
(ここでの話しとはちとズレるかもですけど)発しているものが必ずしも 思惑どおりに伝わることはまれな故(それが創造物というくくりに限らず) 自分が思っていることを全部言わなくてもなんとなくわかってもらえたり、 すべてをわかっているわけではない(わかるわけがない)ことをわかって もらえる人に向かうと、わたしはなんとなくうれしくなる。
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