un capodoglio d'avorio
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2003年10月25日(土) THE TEARDROPS@CROCODILE

明治通り沿いのライヴハウス「クロコダイル」にて。
10年前に解散したバンド・ティアードロップスが再び始動、
ニューアルバムをリリースし、そのレコ発ライヴ。
もちろんティアードロップスがかつての伝説のイベント、
LONDON NITEでいかに活躍していようとも、
どかはリアルタイムで10年前のブームに乗ったわけではなく
(というか、まだ大阪にいたし)。
退屈と言われた80年代が、いかに「退廃的でもかっこよかった」かを
岡崎京子から教えてもらったどかだから、その名前は知っていても、
「ツバキハウス」というハコは実際どこにあったのかを知らないわけで
(というか、まだ大阪にいたし)。

でも、元ペパーミントジャムのギタリストであり、
個人的な友人でもあるハルコンがサポートでギターを弾くというので、
ライヴハウスのあの乱痴気にどかの風邪気味からだで耐えられるのか、
不安だったけど、観にいった。

チケはソールドアウト、予想したとおり、
10年前にもこのバンドを観ていたんだろーなーという方が多数、
でも若い子もたくさんいて、フロアの客層を眺めてると面白い。
ジャンルは「青春歌謡ロカビリー」ということになっていたけれど、
どかはパッと聴いて「チェッカーズ」を思い出したんだけど
(叱られるかしらん・・・)。
フックが強くてキャッチーなメロディ、
ボトムが弱くてウッドベースで、ツインギターは歪まないで。
そして、歌詞は「ボクを探しに」とか、ちょっと気恥ずかしい感じで、
そんなのを、真っ直ぐに歌うのね。
演奏は、ハルコンが参加していたからというのでは全くなく、
でもカッチリしていたと思う、もひとりのギターのヒトも上手かったし。
ボーカルは・・・、歌唱力という尺度で言えば、
決して上手くない・・・というか、うん、微妙。
でもね、きっとそんなことは、あんまし関係なかった。

どかがとにかく目を見張ったのは、このボーカル・やながわサンと、
ギター・たかはしサンの、何というか、愛嬌というか、対人魅力というか、
うん、華みたいな、そういうこと。
さすが一時期の世代の人気を一身に背負ったバンドのフロントマンだなあ。
人の目に晒されることを、恐れるのではなくむしろ、
それを快感と捉えて振る舞い、その快感を鏡のように反射してしまうオーラ。
もちろん、キヨシローとかヒロト、エイチャンみたいに、
ビッグバンみたいなオーラの放射を浴びせ続けるカリスマと違って、
もっとこじんまりとした四畳半なみなささやかな放射でも、
それがあるのとないのでは大違いであり、
というか、スポット浴びて板に乗ってるほとんどのヒトが、
歌を歌うのが上手かったり曲が良かったりしたとしても、
この放射が無いがために上昇線が下降線へと変わってしまうというのが、
実際の話なのだから、やっぱり、スペシャルなんだよ、これは。
やっぱり、愛嬌、としか言えないんだろうな。
すごいMCに力を入れていて、コネタをたくさん仕込んできていて、
それがまたドカンドカン爆発するという。
もしかしたら、曲自体よりもMCのが、光り輝くのでは。
という冷静な彼らの自己分析の結果による、あのエンターテイメントなのかしら。
と、うがってしまうくらい、
自身の才能とその表現のパイプを最短距離で繋いだ1時間半だった。

それがさあ、ホントに音程とか外しちゃったり、
声がかすれちゃったりするんだけどさあ、
ジーンと来るんだよねー、アコースティックなバラードとか聴いてると。
かあいいなあ、と男性あいてにポヤーっとなっちゃうどか。
ボーカルにはこういう魅力がやはり、必要なのかもねって思う。
いや、絶対に必要というわけではない、ないけれど。
でもライヴを、祝祭とするためには、
全てを赦し祝う祭りの場へと高めていくためには、
そういう放射があったほうが絶対、イイ。
その点は、音楽のライヴも、演劇と何ら変わらない。
人間自体で勝負しなくちゃ、あかんのだわ、
だって、トム・ヨークも(@横浜アリーナ)そうだったじゃん、どか!

と、言う意味では今夜はアイドルのライヴだったんだと思う、ある種のね。
で、久しぶりのカムバックな夜でもあり、
ボーカルもギター(ハルコンではなく)も、
それなりに緊張してイッパイイッパイで、
だからこそ、そこにはウソがなく、まっすぐ頑張ってたから、
どかは全然気持ちよく楽しめた、MCにも笑った。
まず、ウソが無かった、音楽が出来ること自体への感謝、
初期衝動がそこにはちゃあんとあったから、微笑ましかった。

さあ、でもこっからが大変じゃないかしら。
初期衝動をずっと維持し続けることが大変なことは、
それを声高らかに宣言し続けたハイロウズが、
奇しくも身をもって証明している。
ヒロト&マーシーは違うギアを手に入れて加速できたけれど、
やながわサンとたかはしサンはそれを身につけられるのか。
愛嬌という名の放射だけでは、
これより大きなハコへと展開し続けるのは辛いだろう。
楽曲も懐かしさを感じさせて新鮮だが、
時代の流れとはやはりすこし、ずれていると思う
(ここがロックンロールしてるとも言えるのだけれど)。
演奏力はともかく歌唱力では勝負すべくも無い。
どかはやながわサンの放射がさらに別物になって強く強く光ったときが、
きっと、すごい面白くなるのではないかしらと思い、ちょっと期待したい。
ま、放射も楽曲と全く無縁に存在するのではないのだけれど、当然。

あ、歌詞でひとつ、おもろいなーって思ったのが。
TEARDROPSは♪TOO YOUNG TO DIE!って歌ってたんだけど、
HIGH-LOWSは♪TOO LATE TO DIE!って歌うのね。
ハハハ、なるほど。
立場の違いが良く、出てるなーと思う。
どかはやっぱり、ヒロト&マーシーにはひれ伏さざるを得んなー。

あとは私信。

ハルコン、とっても幸せそうに見えたよ。
なんか、ホントにワタシも嬉しかったし楽しかった。
一枚、カッコイイ画像が撮れたのだけれど、
サポートメンバーとは言いつつ肖像権がどうなってるのか、
分かんないのでここにはアップしません(送るね)。
いまは、このままの方向で行けるといいねー。
応援してるし、祈ってますよん。
今夜は誘ってくれて、ありがとー。


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